User Manual

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ステップ2 このボイスはこう使え!
ステップ2:このボイスはこう使え!
ここでは、MOTIF XSの膨大なプリセットボイスの中から、
特にお奨めのボイスとその使い方のヒントを楽器ごとに紹介
しましょう。簡単な譜例も用意しているので、ぜひ実際にボ
イスを選びながら、そして実際にMOTIF XSを演奏しながら
読んでみてください。
 ピアノ系の音はこう使え!!
ピアノはバンドにとって不可欠であると共に、キーボーディ
ストにとっても最も重要な音色。それだけにMOTIF XSでも
力が入っている。ここではMOTIF XSの顔ともいえるピアノ
音色を紹介しよう。
【この音を弾け!!】
PRE1:001(A01) FullConcertGrand
MOTIF XSの顔ともいえる1番目のボイスにふさわしい圧倒
的なクオリティのグランドピアノ音色。新しくサンプリング
された大容量波形を使い、タッチの強弱による表現力も大幅
にアップし、すぐに減衰しない豊かな音作りを実現している。
伸びのある低音、透明感のある高音など、素晴らしい。
このボイスの隠し味が、KeyOffSoundで使われているエレ
メント8。ためしに、コントロールスライダー1〜7を下げて
(いちど上げてから下げるようにしよう)、鍵盤を押さえてみ
よう。すると鍵盤を離すときに微かな音が聞こえるはず。こ
れがKeyOffSoundだ。こんなに微かな音が加わっただけで
段違いにリアルになるのが音の不思議なところ。
このボイスのもう1つのポイントが、クラシック専用ホール
の響きを思わせるような、減衰時間の長い緻密なリバーブ。
MOTIF XSには、ヤマハの高機能デジタルミキサー
DM2000で高い評価を受けているREV-Xアルゴリズムが搭
載されており、このボイスにはREV-XHallが使われている。
ためしに、[F6]を押し、続けて[SF4]を押してみよう。
すると、リバーブ画面が表示され、「REV-X Hall」の設定
パネルが確認できる。たとえば、ここでカーソルを1つ下の
[Preset]欄(①)に移動し、データダイアルで「Small Hall」
や「BrightHall」に切り替えると、また違ったリバーブ感が
楽しめる。ぜひ、試して欲しい。
【指先で体感せよ!!】
PRE1:014(A14) Piano&Strings
ピアノとストリングが重なっている音色。このボイスでは、
コントロールスライダー5〜8にストリングスのエレメント
ボリュームが割り当てられている。これを利用して、普段は
コントロールスライダー5〜8を下げてピアノだけで演奏し
ておき、ここぞと言うときにサステインペダルを踏みながら徐々
にストリングを上げていく、という演奏をしてみよう。下記
に譜例を載せているので、指先で体感してみて欲しい。
コントロールスライダーを動かしても音色に変化がない場合
には、スライダーを上下に大きく動かしてから好みの場所に
調節するようにしよう。ノブとコントロールスライダーは、
ボイスに設定されている値(画面で赤い点で示されている位置)
を通り過ぎてはじめて有効になる仕組みになっているからだ。
【使いこなそう!!】
ピアノを使っていると、曲の雰囲気で音の明るさを調節した
くなるときがある。そんなときに便利なのがパネル左側にあ
る8本のノブだ。
ノブの左側にある [SELECCONTR (①)を押して
[TONE2]ランプ(②)を点灯させると、ノブ1(③)がEQの
LOWゲイン、ノブ3(④)がMIDゲイン、ノブ5(⑤)がHIGHゲ
インとなる。この3本のノブで低音、中音、高音のバランス
を調節すれば、音の明るさを自由に変更可能だ。
[F3] を押すと画面の下側にEQのグラフが表示されるの
で、画面を見ながらEQを調整することもできる。他の音色
でも有効なので、ぜひ使って欲しい。
 エレピ系の音はこう使え!!
MOTIF XSでは、素晴らしいエレピ音色が揃っている。ヴィ
ンテージ系エレピ、ヤマハのCP80やDX系エレピなどが、タッ
チ感やキーオフノイズも含めてきわめてリアルに再現されて
いる。ここでは、お勧めのエレピ音色を紹介しよう。
【この音を弾け!!】
PRE1:045(C13) NaturalWurli
このボイスは、タイトでダーティーなエレピのサウンドを見
事に再現している。特筆すべきはタッチ感。エレメント1〜3
がそれぞれ3段階のベロシティでスプリットされていて、マ
イルドな弱音から芯のある中強音、そして強いタッチで弾い
たときのビーンという少し歪んだ音まで指先の感覚に応えて
変化する。また、このボイスでもエレメント4が担当する
Key Off Soundが重要な役割を果たしている。MW(モジュ
レーションホイール)でトレモロのデプス(深さ)が変化するの
で有効に使おう。また、コントロールスライダー6で全体の
音の明るさが変化するので好みで調節するといいだろう。
PRE1:029(B13) SweetnessMW+AS2
ヴィンテージ系エレピにフェーザーをかけたボイス。シンプ
ルに4エレメントで作られているものの、エレメント1〜3が
3段階のベロシティでスプリットされていてタッチの強弱によっ
てダイナミックに音色が変化し、さらにエレメント4がキー
オフノイズを再現しているため非常にリアルな音色に仕上がっ
ている。このボイスを特長づけるのがVCMテクノロジーで再
現された1970年代のアナログフェーザー。ヴィンテージフェー
ザーの質感が良い味を出している。ためしに[F6] を押し、
続けて[SF3] を押してみよう。インサーションB画面が表示
され、「VCMフェーザー」の設定画面が確認できる。フェー
ザーのスピードは、MW(モジュレーションホイール)で調節
が可能だ。
PRE1:049(D01) DXLegend
キラキラしたデジタル系のサウンドが特徴的なDXエレピ。
やはりエレメント1〜3が3段階にベロシティスプリットされ
ていてタッチによる変化はグッド。エレメント4ではFM音源
特有のキラキラしたアタック音を再現している。
【指先で体感せよ!!】
PRE1:036(C04) ClickyDynoMW+AS2
7エレメントを使用して、なんと4段階でベロシティスプリッ
トを行い、微妙なタッチ感によるダイナミックな音色変化を
シミュレートしている。このボイスでもエレメント7でのキー
オフノイズが大きなポイントだ。さらにVCMのアナログイ
コライザーによる高音の伸びにも注目したい。MW(モジュレー
ションホイール)でオートパンがコントロールできる。このボ
イスでは、下記のフレーズを弾いてみよう。
SELECTEDPARTCONTROL
F6
F3
SF4
F6
SF3
赤い点