User Manual
【2】「えっ、1454音色〜!!」
いったい世界中には、何種類ぐらいの楽器があるのでしょうか。
オーケストラで使われている楽器だけでも数10種類はあるでしょうし、バロック楽
器、アジアやアフリカの民族楽器、多くの電子楽器などを加えれば数100種類〜
1000種類近くにはなるのでしょうか(正確な数字が判らなくてすいません)。
MU2000に内蔵されている音色は1454種類。最近のDTM音源では1000音色以上を
内蔵するものが珍しくなくなったとはいえ、とんでもない数だということが判りま
す。たとえば、1音色を1分ずつ演奏したとすると、全ての音色を演奏するのに24
時間かかるわけで、全ての音色を把握するだけでも大変な作業になります。
1000音色と云えば、その昔、DX7の音色を1000種類以上も集めた友人がいたのを
思い出します。DX7では音色を保存するのにマッチ箱ぐらいの大きさのカートリッ
ジ型のメモリーを使う仕組みになっていたのですが、その友人は64音色入りの
ROMカートリッジと、32音色入りのRAMカートリッジをそれぞれ10数個ずつ、あ
わせて30個近くのカートリッジをバッグに入れて持ち歩いていました。
【DX7】
これだけの音色数になると、悩みの種は音選び。あの音が欲しい、と思ったときに
見つけだすのが一仕事になります。そこでその友人は、ナント1000音色を楽器の
種類ごとに細かく分類し、その一覧表をワープロで作成して、それをプリントアウ
トしてものを持ってました。それは一覧表というより、ちょっとした小冊子になっ
てて、それを作るのに何日もかかったとのこと。
当時のシンセ・プログラマーの苦労が忍ばれる話ですね。
同じ1000音色といっても、MU2000ではそんな苦労とはまったく無縁です。
というのは、MU2000では「XG」の決まりに従ってはじめから音色が分類されてい
るから。言い換えると、僕の友人が自分でやった音色の分類作業を済んだ状態に
なっているわけです。
しかも、本体内の音色もその分類ごとにメモリーされていて、その分類をすぐに呼
び出せるようにMU2000のパネルには18個のカテゴリーボタンが用意されているの
ですから、なんとまあ世の中便利になったものです。