User Manual
のオフィスといった、特殊な空間でしょう。こういう場所では、部屋の広さや天
井の高さ、壁や床の材質、そこにいる人間の数などによって、元の音に対して特
徴的な残響音が付加されます。
音が鳴っている場所によってのことを音場というのですが、このように音場の種
類によって付加される残響音が異なるため、たとえばお風呂で鼻歌を歌うと上手
く聞こえるように、同じ音でもずいぶんと印象が変化するのです。
ピアノやギターなどの生楽器を演奏したときに聞こえる音も、楽器を演奏する場
所(音場)によって大きく変化します。練習スタジオ、自宅の部屋、ホールのステー
ジなど、演奏する場所によって、それぞれ特徴的な残響音が付加され、聞こえ方
が替わります。言い換えると、生楽器の場合は、たとえどんな場所で演奏したと
しても、元の音に対してその音場特有の残響が付加されるのです。これが生楽器
の音の大きな特長です。
このままの状態では、シンセサイザーで生っぽいピアノやギターの音を鳴らして
も、耳元で楽器が鳴っているような不自然な音にしか聞こえません。そこで、電
子楽器の音に自然な残響音を付加するリバーブなどのエフェクトが使われます。
リバーブは、音が鳴っている空間をシミュレートすることで残響を作り出すエ
フェクトです。空間の大きさや壁の材質など、さまざまなパラメーターを設定す
ることでバリエーション豊かな残響を作ることができます。