User Manual
【4】音色を変化させる「フィルター」
いよいよMU2000の音色エディットです。
では、MU2000の音作りの中心的な存在であるフィルターを例にとって、音色エ
ディットを体験してみましょう。
フィルターという言葉を辞書で引くと「ろ過器」と出ています。「ろ過器」といわ
れてもピンとこないかもしれませんが、「不要なものを取り除く機器」と言い換え
るとわかりやすいでしょう。コーヒーフィルターやエアーフィルター、たばこの
フィルターなど、フィルターという名前の付いたものは身の回りにも数多くあり、
すべて不要なものを取り除く働きをしています。たとえば、コーヒーフィルターは
コーヒー豆のかすを、エアーフィルターは空気中のほこりを、たばこのフィルター
はニコチンを取り除く働きをしているわけです。
では、AWM2音源に装備されているフィルターは何を取り除くのかというと、元の
音(ウェーブ)に含まれる不要な倍音を取り除くのがその働きです。
音に含まれる倍音の種類が増減すると、それに伴って音色も変化します。
しかし、AWM2音源では音の元になるウェーブに対して倍音を付け加えることはで
きません。
そこで、特定の倍音を取り除くことでウェーブに含まれる倍音を減らし、音色を変
化させるのがフィルターの役割です。
フィルターは、その働きによって大きくローパス・フィルターとハイパス・フィル
ターの2種類に分類できます。
ローパス・フィルター(LowPassFilter)は、基準となる周波数よりも高い周波数の倍
音を取り除くフィルターです。
高い倍音を取り除いて、低い倍音(ロー)を通す(パス)ことから、ローパス・フィル
ターと名付けられています。ローパス・フィルターは、すべてのXG対応音源に搭載
されており、単にフィルターというとローパス・フィルターを指します。高い倍音
には音を明るくしたり音に張りを出したりする働きがあります。ローパス・フィル
ターでは、この高い倍音を削って音の明るさをコントロールすることができます。
[ローパスフィルター]