User Manual

【2】MU2000はシンセサイザー?
では、我らがMU2000はシンセサイザーと呼べるのでしょうか。
それに対する答えは、「NO」、そして「YES」です。
まず、「NO」のワケから…
ご存じのように、MU2000はXGに対応した音源モジュールです。そもそもXGは、音
源の互換性を目的に作られた規格ですから、個々の音色は作り替えられません。
ちょっと考えるとわかると思いますが、通常のシンセサイザーのように自分で作っ
た音色が保存できたり、プロの作った音色を買ってきて使えるような仕組みになっ
ていたら、これは互換性を維持することはできません。
ですから、MU2000にはユーザーが自分の作った音を保存するようなメモリーは用
意されておらず、音色プログラムを直接作り替えるような機能は持たされていない
のです。
次に「YES」のワケを…
音色のエディットができると互換性が確保できないということは説明したとおりで
すが、それでも音色を作り替えたいという要望に応えるために、XGではある仕組み
が用意されています。
それは、音色を作り替えるための設定のことです(パートパラメーターと云いま
す)。たとえば、あるパートについて音の立ち上がりが少し遅くなるような設定に
しておくと、そのパートにどんな音色が割り当てられた場合でも、少し立ち上がり
が遅くなって再生されます。
すなわち、個々の音色を作り替えるわけではなく、パートに音色を作り替える設定
を仕込んでおくことで、間接的に音色を作り替えているワケです。
こういう仕組みにすると、作り替えた音色を保存する必要がなくなり、互換性を心
配する必要がなくなります。
互換性を確保しながら音色のエディットができる仕組み、それがMU2000のエ
ディット機能なのです。