User Manual

取扱説明書
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AWM2 (Advanced Wave Memory2)
ヤマハの多くのシンセサイザーに用いられている音源方式で、あらか
じめサンプリングされたリアルなウェーブ(音の素材)を基にさまざま
な音を作り出します。生の楽器が持つ複雑な波形をそっくりそのまま
持ち、音の要素として有効に活用できるように加工されているので、
ピアノや管楽器などをはじめとする楽器音を、高品位なサウンドで再
現できます。また、リアルな再現性にとどまらず、フィルターやエン
ベロープジェネレーターなどの機能を使って、積極的に新しい音作り
を試みることも可能です。
プラグインボード
別売のプラグインボードを装着することによって本体の音源システム
を拡張できます。
以下のようにさまざまなタイプのプラグインボードが提供されています。
MOTIF-RACK ESでは目的に合わせて最大2種類のプラグインボード
を装着できます。単なる音色数の拡張ではなく、音源システム自体を
拡張するしくみになっていますので、プラグインボードの音色を発音
しても、本体の最大同時発音数を消費しません。プラグインボードの
音色は、本体のボイスと同じように演奏したり、パフォーマンスやマ
ルチのパートの1つとして使用したりできます。
MOTIF-RACK ESはモジュラーシンセシスプラグインシステムに対応
しています。モジュラーシンセシスプラグインシステムに対応したプ
ラグインボードのうち、シングルパートプラグインボード、マルチ
パートプラグインボードの2つのタイプに対応しており、目的に合っ
た音源システムを構築できます。
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エフェクトプラグインボードには対応していません。
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マルチプラグインボードは、マルチモードでのみお使いいただけます。
プラグインボードの種類
シングルパートプラグインボード
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アナログシンセの音源回路を最先端のデジタル技術で再現したア
ナログフィジカルモデリング音源(AN音源)により、ハイクオリ
ティなアナログシンセ音色を表現できます。往年の銘機の音を再
現するビンテージサウンドや最新のクラブ系サウンドをリアルタ
イムでコントロールすることができます。
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ピアノ系音色だけに16MBもの大容量ウェーブROMを実装した
AWM2音源により、アコースティックピアノ、エレクトリックピ
アノなどの音色(高品位ステレオサンプリング)を136種類追加で
きます。1枚のボードで最大64音ポリの拡張ができ、ペダルの余
韻を残した演奏にも対応できます。2枚のボードを装着すること
で、最大128音ポリのピアノサウンドも実現できます。
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DXシリーズと同等のFM音源により、PCM系音源で再現したDX
的な音色ではなく、DXシリーズで定評のあるFM音源独自の音色
を演奏できます。プリセット音はエレピからベース、効果音に至
るまでDXシリーズで定番となった音色をセレクトした実用的なも
のばかりです。DXシリーズとの互換性も確保し、DX7の音色
データをバルク受信して利用することもできます。
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楽器の発音原理そのものをリアルタイムにシミュレートする物理
モデル音源(VA音源)により、PCM系音源では得られないリアル
サウンドを堪能できます。別売のウインドMIDIコントローラー
(WX5)と組み合わせて、表現豊かな管楽器演奏も楽しめます。
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高品位ドラム/パーカッション系音色(ステレオサンプリングを含
む)を追加するAWM2音源です。1枚のボードで最大32音ポリの
拡張ができます。インサーション、リバーブの2つのエフェクト
を装備し、豊かで余裕のあるドラムパートを実現します。
マルチパートプラグインボード
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16パートのXG音源を搭載するプラグインボードです。市販の
XG/GMマークのついたソングデータを多彩な音色やエフェクト
による豊かな表現力を用いて演奏させたり、ソングデータを再生
させながらMOTIF-RACK ESを演奏したりすることができます。
また、コンピューターと組み合わせることで、既存のデータを有
効に活用できます。
モジュラーシンセシスプラグインシステム
シンセサイザーや音源の可能性を大きく広げていく拡張システム
のことです。拡張可能なシンセサイザーや音源本体(モジュラーシ
ンセシスプラグインプラットフォーム)や拡張ツールのモジュラー
シンセシスプラグインボードなどを総称して「モジュラーシンセ
シスプラグインシステム」と呼びます。「モジュラーシンセシスプ
ラグインシステム」により、最新のテクノロジーをシンセサイ
ザーや音源に付加し、高度化/多様化していく音楽制作環境に応え
ることが可能になります。
プラグインボイスとボードボイス
シングルプラグインボードを取り付けることによって鳴らせるボ
イスには、プラグインボイスとボードボイスの2種類があります。
ボードボイスとは、プラグインボードを装着した本体機器上のパ
ラメーターを付加していない、プラグインボード上のオリジナル
ボイスを指します。それに対してプラグインボイスは、ボードボ
イスにエフェクトやEGなど、本体機器のさまざまなパラメーター
を加工して作り上げたボイスを指します。プラグインボイスの素
材が、ボードボイスともいえます。
MOTIF-RACK ESでは、プラグインボイスがあらかじめ準備され
ているので、プラグインボードを取り付けただけですぐにプラグ
インボードサウンドによる演奏を楽しめます。
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プラグインボイスは、本体のボイスエディットモードでパラメー
ターの編集(エディット)ができます。
n
ボードボイスは、プラグインボード専用のエディター (コンピュー
ターソフトウェア)を使って、パラメーターの編集(エディット)がで
きます。エディットしたボードボイスは、プラグインセーブ機能に
より、MOTIF-RACK ES本体に保存できます(49ページ)。