User manual

6 パフォーマンスのモニタリングとチューニング
パフォーマンス&チューニング・ガイド 169
バッファ・キャッシュの構造
Sybase IQ では、システム上の CPU の数に応じて、バッファ・キャッシュの
キャッシュ・パーティションの数が自動的に計算されます。マルチ CPU 構成
でロードまたはクエリのパフォーマンスが予想より悪い場合は
CACHE_PARTITIONS データベースオプションの値を変更するとパフォーマ
ンスが向上することがあります。詳細については、Sybase IQ リファレンス・
マニュアル』のCACHE_PARTITIONS オプション」を参照してください。
バッファはキャッシュの LRU (Least Recently Used) 側の終端に近づくと
ウォッシュ・マーカを越えます。Sybase IQ は最も古いページ ( ウォッシュ・
マーカを越えたページ ) をディスクに書き出して、そのページが占有していた
キャッシュ領域を再利用できるようにします。スイーパスレッドと呼ばれる
Sybase IQ 処理スレッドのチームが、最も古いバッファを一掃し (書き出し) ます。
データのページをキャッシュに読み込む必要がある場合Sybase IQ LRU
バッファを取り込みます。バッファがまだ「ダーティな」( 変更された ) 状態
の場合は、先にバッファをディスクに書き込む必要があります。モニタ -cache
レポートの [Gdirty] カラムは、LRU バッファをダーティな状態で取り込んだた
めに、Sybase IQ がそのバッファを使用する前に書き出す必要があった回数を
示します。
通常、Sybase IQ では [Gdirty] の値が 0 に維持されます。この値が 0 より大
きい状態が長時間続く場合は、スイーパスレッドの数とウォッシュマー
カを制御するデータベース・オプションを調整する必要があります。詳細
については、Sybase IQ リファレンス・マニュアル』「第 2 データベー
ス・オプションSWEEPER_THREADS_PERCENT オプション」または
WASH_AREA_BUFFERS_PERCENT オプション」を参照してください。
バッファ・マネージャのスラッシングの回避
オペレーティングシステムによるページングは、使用可能な空きメモリを超え
るバッファを必要とするクエリに影響します特に、バッフキャッシュにさ
らに多くの物理メモリを割り付けようとすると、ページングが少々必要です。
だし、物理メモリをバッファ・キャッシュに過度に割り付けるとオペレーティ
ングシステムによるページングの発生頻度が高くなり、システム全体がスラッ
シングする原因となることがあります。逆にバッファキャッシュに十分なメ
モリを割り付けないとSybase IQ がスラッシングしてしまいます。
オペレーティングシステムがディスクにページアウトする最適バッファの
量を減らした場合、バッファマネージャはこれらのバッファをメモリに戻す
ためにディスクから余分に読み込みを行わなければならないため、バッファ・
マネージャのスラッシングが発生します。Sybase IQ では、ディスクにフラッ
シュするための最適なバッファを把握しているため、ページアウトの全体の
数を減らすことによって、このようなオペレーティングシステムによる干渉
を回避できます。