Professional 推奨設定ガイド – ワイルドライフ編 – © 2024 Nikon Corporation
目次 撮影の準備. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 使用する機材について. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 野生動物の撮影におすすめのレンズと特徴. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 事前に確認しておくこと. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
異なるシーンに合わせて素早く設定を変更したいときは. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23 動画で活き活きとした動きを捉えたいときは. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23 被写体別推奨設定. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24 定位置を出入りする小動物. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24 特定の場所を訪れる中型動物. . . . . . . .
撮影の準備 使用する機材について 野生動物の撮影に使用する主な機材は次の通りです。 カメラ本体 Z9 Z8 ヒント:本書の画面について 本書では、主に Z 8 の画面を使用して説明しています。 レンズ どのような野生動物を撮影するかによってレンズを選んでください。野生動物の撮影におすすめの レンズは次の通りです。 - NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S(0 6) - NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S(0 7) - NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S(0 8) - NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S(0 9) - NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S(0 10) - NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S(0 11) - NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.
- NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR(0 13) - NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S(0 14) ヒント:手持ち撮影する場合 手持ち撮影をする場合は、PF レンズを搭載した小型で軽量なレンズがおすすめです。紹介したレン ズのうち PF レンズを搭載しているものは次の通りです。 NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S NIKKOR Z 800mm f/6.
野生動物の撮影におすすめのレンズと特徴 野生動物の撮影におすすめのレンズの特徴は次の通りです。 NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S 1.
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S コンパクトな 400mm のレンズを使用すると、広大な風景の中でも手持ちで野鳥の姿を追いかけ、息づ かいまで見える貴重な瞬間を捉えることができます。 © Michelle Valberg 撮影条件: シャッタースピード:1/1000 秒 絞り値:f/4.
NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S 1.
NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S PF(位相フレネル)レンズを採用することで大幅な小型・軽量化を実現した 600mm のレンズ使用す ると、飛行中の野鳥の姿も手持ちで楽に追うことができます。 © Ramesh Karmakar 撮影条件: シャッタースピード:1/3200 秒 絞り値:f/6.
NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S PF(位相フレネル)レンズを採用することで小型・軽量化を実現した 800mm のレンズを使用すると、 離れた場所から野生の生き物たちの優しい時間をそのまま写し撮ることができます。 © Edin Whitehead 撮影条件: シャッタースピード:1/3200 秒 絞り値:f/6.
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S 開放 F 値 2.8 ならではの圧倒的な描写性能と対応力の高い焦点距離域を併せ持つ 70-200mm ズームレ ンズは、野生動物撮影にとって基本装備のひとつです。 © Mohan Thomas 撮影条件: シャッタースピード:1/640 秒 絞り値:f/5.6 露出補正:+1.
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 小型軽量でありながら高い光学性能を実現した 100-400mm ズームレンズを使用すると、広い範囲で のスムーズなズーミングと Z 9、Z 8 の動物検出 AF を組み合せることで動き回る猛獣を遠くからでも クリアに捉えることができます。 © Jogi Francis 撮影条件: シャッタースピード:1/400 秒 絞り値:f/6.
NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR 重量バランスやズーム機構を最適化した 180-600mm ズームレンズを使用すると、繊細な小動物に近 づくことなく貴重な瞬間を撮影することができます。 © Natsumi Handa 撮影条件: シャッタースピード:1/500 秒 絞り値:f/5.
NIKKOR Z MC 105mm f/2.
事前に確認しておくこと 野生動物の撮影を始める前に次のことを確認しておいてください。 どのような目的で撮影するのかを明確にする アルバム、写真集、記念写真など目的によって見せ方や必要なカット数が変わってきます。どのよう な目的で撮影するのかを明確にしておいてください。 撮影する場所と動物の生態について調べておく どのような写真を撮影したいかを事前に考えておきます。野生動物の種類によっては活動する時間帯 や行動に一定のパターンがあることが多いため、あらかじめ撮影する動物について活動する時間帯、 捕食や水を飲むタイミングなどの行動パターンを調べておくと、適切な機材の準備やより多くの撮影 機会につながります。 カメラの設定をする 事前にカメラを撮影したい場面に合わせて設定しておくと、撮影がスムーズに進み、撮影後のレタッ チ処理も少なくてすみます。詳しくは「カメラの基本設定について」( 0 16)をご覧ください。 15 事前に確認しておくこと
カメラの設定 カメラの基本設定について 野生動物の静止画を撮影するときの基本設定は次の通りです。 AF エリアモード ISO 感度 [3D-トラッキング] ISO AUTO(感度自動制御する) ピクチャーコントロール [スタンダード] ホワイトバランス [オート] 画質モード [RAW + NORMAL] ヒント:被写体別の推奨設定について 撮影する動物に合わせた最適なカメラの設定は、「被写体別推奨設定」( 0 24、0 26、0 28、 0 30)を参照してください。 AF エリアモードを[3D-トラッキング]に AF エリアモードを[3D-トラッキング]に設定すると、動きの速い 動物を撮影する場合にフォーカスポイントを自動で追尾させなが ら撮影することができます。 16 カメラの基本設定について
D 3D-トラッキングについてのご注意 次のような場合は、追尾動作が正常に行われないことがありますので、ご注意ください。 被写体の色、明るさ、柄が背景と似ている場合 被写体の大きさ、色、明るさが著しく変わる場合 被写体が大きすぎる/小さすぎる場合 被写体が明るすぎる/暗すぎる場合 被写体の動きが速すぎる場合 被写体が隠れたり、画面から外れた場合 ヒント:複数の被写体を撮影する場合 AF エリアモードを[オートエリア AF]に設定することをおすすめします。 [オートエリア AF]に設定 すると、複数の顔や瞳を検出した場合、マルチセレクターでピントを合わせたい顔や瞳を選択できま す。 ISO 感度を ISO AUTO に 設定した ISO 感度で適正露出が得られない場合に、カメラが自動的 に ISO 感度を変更します。 撮影時に ISO 感度が高くなりすぎないように、 静止画撮影メニュー[ISO 感度設定]>[制御上限感度]を[2000] に設定することをおすすめします。 17 カメラの基本設定について
ピクチャーコントロールを[スタンダード]に ピクチャーコントロールを[スタンダード]に設定すると、コント ラストや色合いをバランスよく調整した画像に仕上がるため、撮影 状況を気にせず撮影できます。また、撮影後のレタッチ処理を行い やすくなります。 ヒント:ピクチャーコントロールを登録する 好みの設定に調整したピクチャーコントロールは、静止画撮影メニュー[カスタムピクチャーコント ロール]で登録しておくことができます。ピクチャーコントロールを好みの設定に調整する場合は、 鮮やかでバランスの取れた標準的な仕上がりの[スタンダード]を元にすることをおすすめします。 ホワイトバランスを[オート]に ホワイトバランスを[オート]に設定すると、光源に合わせてカメ ラが自動的にホワイトバランスを調節するため、目で見たときの色 味に近いものが撮影できます。 画質モードを[RAW + NORMAL]に 画質モードを[RAW + NORMAL]に設定して撮影すると、画像を じっくり編集、加工する場合は RAW 画像、パソコンですぐに一覧 表示したいときは JPEG 画像という使い分けが可能です。 18 カメラの基本設定
撮影に便利な設定について 基本設定と一緒に設定すると便利な機能は次の通りです。 被写体検出を設定する 静止画撮影メニュー[AF 時の被写体検出設定]を[オート]、[動 物]、 [鳥]のいずれかに設定しておくと、カメラが動物の顔を検出 したときに自動でフォーカスポイントが表示されます。 [鳥]は、Z 9 ファームウェア C:4.10 以降および Z 8 ファームウ ェア C:2.
オートキャプチャーを使って自動撮影する [オートキャプチャー]は、カメラが被写体を認識すると自動で撮 影する機能です。撮影を行う条件を設定しておくことで、被写体が いつ現れるかわからない場合にもカメラ任せで撮影を行えます。カ メラが自動で撮影をするため、撮影のタイミングで立ち会う必要が なく、野生動物の自然な表情を撮影することができます。また、1 台のカメラは設置した場所でオートキャプチャーに撮影を任せ、も う 1 台のカメラを自分で操作して別のアングルや構図で被写体を 追いながら撮影を楽しむこともできます。 静止画撮影メニュー[オートキャプチャー]>[開始]を選ぶと、オートキャプチャー設定画面が 表示されてオートキャプチャー撮影を行う条件を設定できます。 [オートキャプチャー]は、Z 9 ファームウェア C:4.00 以降および Z 8 ファームウェア C:2.00 以降で 設定できます。 [オートキャプチャー]の詳しい設定については、「Z 9 推奨設定ガイド オートキャプチャー編」を 参照してください。 https://downloadcenter.nikonimglib.
静止画または動画を撮影する 野生動物を撮影するときのご注意 野生動物を撮影するにはそれぞれの生態に合わせた撮影方法が必要です。次の点に注意しながら撮影 してください。 野生動物との距離を保つ こちらから野生動物に近づかないようにしましょう。動物がカメラのフレーム内に入ってくるのを待 つようにしてください。野生動物に近づきすぎると危険な場合があります。一定の距離を保って撮影 するようにしてください。 野生動物とその生息地を大切にする 野生動物の領域にいることを忘れず心がけましょう。事前に撮影場所のルールなどを確認しておき、 撮影の許可が必要な場合は取得しておきましょう。 21 野生動物を撮影するときのご注意
野生動物を撮影するときのヒント 撮影する場面に合わせて次の設定をおすすめします。 止まっていた被写体が急に動き出したときは カスタムメニュー f2[カスタムボタンの機能(撮影)]で Fn ボタンに[AF エリアモード]>[3D-ト ラッキング]を割り当てておくことをおすすめします。割り当てたボタンを押している間は[3D-トラ ッキング]を使用できるため、被写体が急に動き出したときにもすぐに被写体を追いかけることがで きます。 決まった範囲だけで撮影したいときは 登録したピント位置を素早く呼び出すメモリーリコールの機能の使用がおすすめです。 メモリーリコール機能を使用するには、f2[カスタムボタンの機能(撮影) ]で任意のボタンに[フ ォーカス位置の登録]と[フォーカス位置の呼び出し]をそれぞれ割り当ててください。 動き続ける被写体を逃さず撮影するためには レリーズモードを[高速連続撮影]または「ハイスピードフレームキャプチャー +」 ([C30]、 [C60]、 [C120])に設定することをおすすめします。高速連続撮影することで素早く動き続ける野鳥の捕食の 瞬間などを逃さず撮影できます。 「ハイスピー
屋外での撮影画像をより鮮明にするために レンズフードを取り付けることをおすすめします。レンズフードを取り付けることで、フレアやゴー ストの原因となる強い光が入ってくるのを防ぎ、コントラストがはっきりした画像を撮影できます。 より印象的な画にするために [ホワイトバランス]の[色温度設定]で A(アンバー)および B(ブルー)方向と G(グリーン)お よび M(マゼンタ)方向の色温度を設定すると、撮影する場面に合わせて色合いを変化させることが できます。 異なるシーンに合わせて素早く設定を変更したいとき は [撮影メニューの管理]であらかじめ撮影メニュー[A]、[B]、[C]、[D]のそれぞれに撮影シーンに 合わせた異なる設定を記憶させておくと、素早く設定を変更することができます。例えば、トラが日 の当たる草原から木陰に移動した場合などに素早く設定を切り替えることができます。 動画で活き活きとした動きを捉えたいときは Z 9、Z 8 のスローモーション動画機能を使うと野生動物の動きをつぶさに記録することができます。 動画撮影メニュー[動画記録ファイル形式]で[H.
被写体別推奨設定 定位置を出入りする小動物 © Jogi Francis 撮影機材: Z9 NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S 撮影条件: シャッタースピード:1/1000 秒 絞り値:f/2.8 露出補正:-0.
餌場や巣穴など特定の位置で素早く動く小動物を撮影するときは次の設定がおすすめです。 撮影モード A レリーズモード 高速連続撮影:20 コマ/秒 絞り値 レンズの開放絞り値または開放絞り値より 1/2 段絞る 画質モード [RAW]または[RAW + NORMAL] AF エリアモード [3D-トラッキング] AF 時の被写体検出設定 [動物] ISO 感度 ISO AUTO([ISO 感度設定]>[制御上限感度]を[2000]に設 定) ピクチャーコントロール [スタンダード] ホワイトバランス [オート] 次の被写体を撮影するときにおすすめです。 - 小鳥 - 昆虫 - 野ネズミなど 小さな動物たちを撮影する場合は餌場や巣穴などに近づきすぎずに生態系を妨げない場所から撮影 してください。動物たちが定期的に出入りする場所を調べたら、超望遠レンズを取り付けたカメラ と三脚を安定した場所に設置して、撮影のタイミングを待ちましょう。 ヒント:オートキャプチャーを使って自動撮影する オートキャプチャーを使用すると、餌場に来る小動物や止まり木に来る小鳥を固定したカメラで自動 撮影し
特定の場所を訪れる中型動物 © Ratish Nair 撮影機材: Z9 NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S 撮影条件: シャッタースピード:1/500 秒 絞り値:f/2.8 露出補正:+0.
休息場や水飲み場など特定の場所を訪れる中型動物を撮影するときは次の設定がおすすめです。 撮影モード A レリーズモード 低速連続撮影:1 コマ/秒~5 コマ/秒 絞り値 レンズの開放絞り値または開放絞り値より 1/2 段絞る 画質モード [RAW]または[RAW + NORMAL] AF エリアモード [ダイナミック AF(S)] AF 時の被写体検出設定 [動物] ISO 感度 ISO AUTO([ISO 感度設定]>[制御上限感度]を[2000]に設 定) ピクチャーコントロール [スタンダード] ホワイトバランス [オート] 次の被写体を撮影するときにおすすめです。 - トラ、ヒョウなど狩猟を行う肉食動物 - シカ、バイソンなど移動しながら生活する草食動物 - イグアナ、ワニなど水辺に生きる動物 行動力の高い中型動物は、撮影する側の安全を確保するためにも一定の距離を保つ必要があります。 自然の中にできた休息場や水飲み場など動物が集まる場所を見つけた場合、十分に距離を取ったう えで撮影場所を確保してください。長時間の撮影になることを考慮して予備のバッテリー類を用意 し、
飛行中の鳥類 © Jogi Francis 撮影機材: Z9 NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S 撮影条件: シャッタースピード:1/3200 秒 絞り値:f/6.
中型または大型の、飛行中の鳥類を撮影するときは次の設定がおすすめです。 撮影モード A レリーズモード 高速連続撮影:20 コマ/秒 絞り値 レンズの開放絞り値または開放絞り値より 1/2 段絞る 画質モード [RAW]または[RAW + NORMAL] AF エリアモード [オートエリア AF]または[3D-トラッキング] AF 時の被写体検出設定 [鳥] ISO 感度 ISO AUTO([ISO 感度設定]>[制御上限感度]を[2000]に設 定) ピクチャーコントロール [スタンダード] ホワイトバランス [オート] 次の被写体を撮影するときにおすすめです。 - 鷹やハヤブサなどの中型鳥類 - 鷲や白鳥などの大型鳥類 大空をダイナミックに飛行する大型鳥類の撮影は最も撮影スキルを必要とするシーンのひとつで す。見晴らしがよく足場の安定した撮影場所を確保したら、手持ち撮影しやすい大きさの超望遠レ ンズとカメラを使用して野鳥たちの姿を追いながら撮影しましょう。被写体をファインダーに収め ることが難しい場合は、ドットサイトの使用もおすすめです。 29 飛行中の鳥類
ゆっくり動く大型動物と風景 © Mohan Thomas 撮影機材: Z8 NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S 撮影条件: シャッタースピード:1/400 秒 絞り値:f/5.