Professional Professional Professional テクニカルガイド - N-RAW - Jp
目次 撮影編 RAW 動画について 3 カメラの設定 4 階調モードについて 6 N-RAW 形式での動画記録における制限事項 7 N-RAW の画像サイズ等 8 DaVinci Resolve 編 N-RAW の編集手順 10 EDIUS X Pro 編 N-RAW の編集手順 2 20
RAW 動画について RAW 動画は、カメラの撮像素子から出力されたままの、カメラ内 で現像されていない映像データです ※ 。これを記録した RAW 動画 ファイルは、静止画の RAW データと同様に豊富な情報量(階調な ど)を持っているため、Log 動画などに比べてグレーディング耐性 に富んでおり、編集を前提とした撮影に適しています。 N-RAW は、ProRes RAW の約 1 / 2 のファイルサイズを実現しつ つ、階調段差が起こりにくく、細かな構造を維持できる映像データ です。 ※一般的に、デジタルカメラのノイズリダクション、 レンズ収差補正、電子手ブレ補正 はカメラの現像処理プロセスの中で行われるため、カメラの現像プロセスを通ら ない RAW 動画ファイルはこれらの処理が行われていません。 3
カメラの設定 1. 動画撮影メニュー [動画ファイル形式]で [ N-RAW 12-bit(NEV ) ] を選ぶ 2.
カメラの設定 3. 動画撮影メニュー [動画の画質 (N-RAW ) ]で [高画質]または[標準] を選ぶ 4.
階調モードについて N-RAW の撮影を行う前に、 [ SDR ]または[ N-Log ]のいずれ かの階調モードを選択する必要があります。 そ れぞ れの 階 調 モ ードには、撮 影 後 の 現 像では変えられ ない特徴の違いがあります。ワークフローや求める表現に よって階調モードを選択してください。 階 調 モ ード[ S D R ]は 、S D R ワークフロー 向 け の 階 調 モ ー ドです。I S O 8 0 0 未 満 の 低 感 度 が撮 影 可 能 で、階 調 モ ード [ N - Lo g ]を選 択した 時と比 べ 、暗 部 のノイズ 性 能に優 れ ています。 階調モード[ N-Log ]は、Log ワークフローや HDR ワークフ ロー 向 け の 階 調 モ ードです 。設 定 できる最 低 I S O 感 度 は 800となります。ハイライト側のダイナミックレンジ性能が 優れているため、自由度の高いカラーグレーディングを行 いたい場合にお勧めです。 6
N - R AW 形 式 で の 動 画 記 録にお け る 制限事項 階調モード[ SDR ]または[ N-Log ]を選択したときの制限事項はそれぞれ以下になり ます。 階調モード[SDR」での制限事項 設定可否 有効/無効 撮像範囲 不可 無効 オーバーサンプリングの拡張 可 無効 ISO 感度設定 可 Hi 領域は選択できません。 ピクチャーコントロール 可 無効 アクティブ D - ライティング 不可 無効 高感度ノイズ低減 不可 無効 ヴィネットコントロール 可 無効 回折補正 不可 無効 自動ゆがみ補正(強制 on レンズ装着時) 不可 無効 自動ゆがみ補正(設定可レンズ装着時) 可 無効 電子手ブレ補正 不可 無効 諧調モード[N-Log」での制限事項 設定可否 有効/無効 撮像範囲 不可 無効 オーバーサンプリングの拡張 可 無効 ISO 感度設定 可 ISO800 以下および Hi 領域は選択できません。 ピクチャーコントロール 不可 無効 アクティブ D- ライティング 不可 無効
N-RAW の画像サイズ等 N- RAW の撮像範囲 / 画像サイズ / フレームレートは以下の通り です。 撮像範囲 カテゴリー 画像サイズ フレームレート 60p 8K 8.3K ( 8256 × 4644 ) 50p 30p 25p 24p 120p FX 100p 4.1K ( 4128 × 2322 ) 60p 50p 30p 25p 24p 4K DX 60p 5.4K ( 5392 × 3032 ) 50p 30p 25p 24p 2.3 × 8 3.
DaVinci Resolve 編 9
N-RAW の編集手順 1 新規プロジェクトを作成します ※今回は代表的な例として、 8K60p 階調モード[ N-Log ]で撮影し た N-RAW データを使って Rec.709Gamma2.4 の環境で視聴する ための動画を作る手順を説明します。 ※レンダリングを含む編集作業には DaVinci Resolve 17.4.6 以降の 有償版が必要です。 ※ DaVinci Resolve は以下 URL のサイトからダウンロードし、イ ンストールしてください。 https://www.blackmagicdesign.
N-RAW の編集手順 2 設定したプロジェクトのマスター設定を行います ① ② ① メニューバーの[ファイル]を選ぶ ②[プロジェクト設定]を選ぶ ③ ④ ③ マスター設定内の[タイムライン解像度]で [ 7680 x 4320 8K Ultra HD ]を選ぶ ④[タイムラインフレームレート]で[ 59.
N-RAW の編集手順 3 カラーマネジメントの設定を確認します ① ② ③ ④ ⑤ ① プロジェクト設定内で[カラーマネジメント]を選ぶ ②[カラーサイエンス]がデフォルト設定の [ DaVinci YRGB ]になっているか確認 ③[タイムラインカラースペース]がデフォルト設定の [ Rec.709 Gamma 2.
N-RAW の編集手順 4 撮影した 8K60p N-RAW を読み込みます ① ① データが保存されているフォルダを開き、データを ドラッグアンドドロップでメディアプールに移す 13
N-RAW の編集手順 5 撮影した動画を編集します ② ① ① 画面下のエディットタブを選び、エディットページ へ移る ② データを右クリックし、[選択したクリップで新規タ イムラインを作成]を選ぶ ③ ④ ③ タイムライン名を入れる ④[作成]を選択 14
N-RAW の編集手順 ⑤ ⑤ 撮影した N-RAW データを、タイムラインへ ドラッグアンドドロップし、配置する 15
N-RAW の編集手順 6 撮影データのカラースペースと Gamma を、 タイムラインカラースペースと出力カラー スペースに合わせて変更します 変換方法1 カメラ RAW から変換する ① ② ③ ①[ Decode Using ]でデフォルト設定されている [ Project ]から[ Clip ]を選び、クリップごとに カラースペースと Gamma が変更できるようにする ②[ Color Space ]を[ Rec.709 ]に、[ Gamma ]を [ Gamma2.
N-RAW の編集手順 変換方法2 N-Log 用 3DLUT を使用する ※ニコン提供の N-Log 用 3D LUT が DaVinci Resolve に登録されて いることが前提です。 ① ② ① 右上のノードエディターに表示されているイメージ を右クリック ②[ LUT ]から[ Nikon ]フォルダを選び [ Z_9_N-Log-Full_to_REC709-Full_33_V01-00 ] に設定する ③ 変換方法1同様、[ Decode Using ]でデフォルト 設定されている[ Project ]から[ Clip ]を選ぶと、 クリップごとにカラースペースと Gamma が変更で 17 きるようになり、色温度の調整も可能になる
N-RAW の編集手順 7 書出しを行います ② ④ ③ ① ① 画面右下のデリバータブを選択 ② レンダー設定で名称を入力 ③ 下にスクロールし、解像度とフレームレートがプロ ジェクトとタイムラインとで同じ設定になっている ことを確認する。設定が終わったら、 [レンダー キューに追加]を選択 ④ レンダーキューパレットにジョブが追加されたら ジョブを選び、[すべてのレンダー]を選択し、書 出しを開始する 18
EDIUS X Pro 編 19
N-RAW の編集手順 1 新規プロジェクトを作成します ※今回は代表的な例として、 8K60p 階調モード[ N-Log ]で撮影し た N-RAW データを使って SDR 環境で視聴するための動画を作る 手順を説明します。 ※レンダリングを含む編集作業には EDIUS X Pro 10.32 以降の有償 版が必要です。 ※ EDIUS X Pro は以下 URL のサイトからダウンロードし、インス トールしてください。 https://www.ediusworld.com/jp/products/index.
N-RAW の編集手順 2 作成したプロジェクトの設定を行います ① ① 使用可能なプリセットを選ぶ ② ③ ②[プリセットを変更して使用する]を選ぶ ③[ OK ]を選択 21
N-RAW の編集手順 3 プロジェクトの設定を変更します ① ④ ② ⑤ ③ ⑥ ① 映像プリセットで[8K UHD 7680x4320 59.94p] を選ぶ ②[ビデオ量子化ビット数]は[10bit]を選ぶ ③[カラースペース]は[BT.709]を選ぶ ④[HDR/SDRゲイン]がデフォルト設定の[6.
N-RAW の編集手順 ※ 一度設定を終えたプロジェクトも変更可能です。 ① ① メニューバーから[設定]を選択 ②[プロジェクト設定]を選ぶ ③ ③[現在の設定]から内容を変更 23 ②
N-RAW の編集手順 4 撮影した 8k60p N-RAW を読み込みます ※ EDIUS のプロキシモードを利用した編集を前提に Proxy ファイル も同時に読込みます。 ※ 8k60p の RAW 動画を取扱うため、編集中の CPU 負荷が高くなり ます。そのため、編集には EDIUS のプロキシモードをおすすめし ます。 ① 読み込んだクリップを ② 管理する画面右上の [ビン]パネル内の空 いたスペースで右ク リック ②[クリップの追加]を 選択 ① ③ Z 9 で RAW 動画を撮影 ③ ④ すると、同じフォル ダ内に、 N-RAW と proxy 動画が生成され るので、 N-RAW ファイ ルと同時に proxy ファ イルも選択 ④[開く]を選択 24
N-RAW の編集手順 ⑤ ⑥ ⑤ N-RAW と対になる proxy は EDIUS に読込む と、サムネイルの右上に仮編集クリップマー クが表示されます ⑥ N-RAW ファイルをタイムラインにドラッグア ンドドロップ ⑦ ⑧ ⑦ メニューバーから[モード]を選択 ⑧[プロキシモード]を選択 25 ※タイムライン上のクリップに格子状の表示が表れたら、もとの N-RAW から proxy を取扱う状態に切り替わっています。
N-RAW の編集手順 5 プロジェクト設定に合わせて、撮影データの カラースペースとガンマを変換します。 ※ 先ほどのプロジェクト設定の通り、SDR 、カラースペース BT.709 の環境で視聴することが前提です。 ※ EDIUS で N-RAW を読込むと、N-Log としてデコードされるため、 カラースペースは rec.
N-RAW の編集手順 ⑤ インフォメーションウィンドウ内 の[プライマリーカラーコレク ション]をダブルクリックし、プ ライマリーカラーコレクション ウィンドウを開く ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑥[色空間]内で、[ソース」が[ N-log ]になってい るか確認 ⑦[出力 /LUT ]が[プロジェクトカラースペース ( BT.709 )]になっているか確認 ⑧[ HDR/SDR ゲイン」がプロジェクト設定の通りに なっているか確認し、ソースファイルである N-Log (デコードされた N-RAW )が SDR の BT.
N-RAW の編集手順 変換方法2 N-Log 用 3DLUT を使用する ※ニコン提供の 3DLUT が EDIUS に登録されていることが前提です。 ② ① ①[出力 /LUT ]から[ Z_9_N-Log-Full_to_ REC709-Full_33_V01-00(Full / Video) ]を選ぶ ②[ OK ]を選択 28
N-RAW の編集手順 6 タイムラインの動画を書出します。 ※実際はこれ以前に、編集やカラーグレーディングが入ってくる と思いますが、 本書では省略しています。 ① ① メニューバーから[モード]を選択後、 [プロキシモード]のチェックを外す ② プレビューウィン ドウの下にあるエ クスポートを選ぶ ③[ファイルへ出力] を選択 ② ③ 29
N-RAW の編集手順 ④ ⑤ ④ 任意のエクスポーターを選択 ⑤[出力]を選択 ⑥ ファイルに名前をつけ る ⑦ 保存を選択 ⑥ 30 ⑦
N-RAW の編集手順 ⑧ ⑧ ビンウィンドウの[ジョブ]タブをクリックし、レ ンダーの進捗を確認 31
© 2022 Nikon Corporation