HP Systems Insight Manager HP-UX用 インストール/コンフィギュレーション ガイド
HP SIM分散タスク ファシリティ(DTF)は、管理対象システムとのやり取りにSSH-2プロトコ
ルを使用します。DTFを使用すると、1つのコマンドを使用することにより、管理ドメイン内の
複数のシステムまたはシステム グループにわたって操作を繰り返し実行できるため、オペレー
タの作業効率が向上します。この機能は多重システム環境での管理者の負担を軽減するのに役
立ちます。X WindowツールおよびCLIツールは、以下のタスクの実行およびサポートにDTFを
使用しています。
●
リモート操作により管理対象システム上でスクリプト、コマンド、およびアプリケーショ
ンを実行
●
管理対象システムへのファイルのコピー
DTFは、個々の管理対象システム上で実行されているSSHサーバ ソフトウェアとCMSを接続す
る働きをします。最初にDTFからSSHサーバに、システム上で実行すべきタスクが指示されま
す。これを受けてSSHサーバはタスクを実行し、実行結果をDTFに返します。すべての管理対象
システムから送られてきたフィードバックはDTFにより集約されます。
WBEM。 WBEMはシステム管理の簡略化を目的とした業界標準プロトコルです。WBEM
は、エンタープライズ コンピューティング環境の管理を統一するために開発された一連の管理
技術およびインターネット標準技術に基づいて構築されています。WBEMを実装すると、WBEM
に準拠したアプリケーションで読み取り可能なソフトウェア データおよびハードウェア デー
タの利用が可能になります。
HP SIMでは、WBEMを実行している管理対象システム用のパスワードをデータベースを使って
管理しています。このデータベースには、WBEMプロトコルを使用するツールのユーザ認証で
必要となる、各管理対象システム用のユーザ名とパスワードが保管されています。このアカウ
ントにはログインの権利などのその他のアクセス権限は必要ありません。これはHP SIMによる
WBEMアクセスのためだけに使用されるアカウントです。WBEMのユーザ名とパスワードは、
CLIまたはGUIから設定できます。詳細については、
http://www.hp.com/jp/proliantessentials_manualにある『HP Systems Insight Managerテクニカ
ル リファレンス ガイド』の「システムとイベントの管理」セクションを参照してください。
HP SIMではHTTPSを使用してWBEMデータにアクセスすることで、システム管理データへの安
全なパスを実現しています。
HTTPS。 HTTPSとは、SSLを介して安全性を高めたHTTPで、Webを介した安全なデータ送
信を可能にするプロトコルです。HTTPSは、前の項で説明したようにWBEMデータへのアクセ
スに使用されるほか、ProLiantエージェント情報へのアクセスにも使用されます。エージェント
とCMS間の信頼関係の確立には、ユーザ名とパスワードの代わりにデジタル証明書が使用され
ます。CMSの証明書は、そのCMSにより管理される個々のエージェントにロードする必要があ
ります。
DMI(HP-UX 11.0以前の管理対象システムのみ)。 現在のHP SIM環境では、DMIは、
HP-UX 11.0システムからのインベントリ データの収集にのみ使用されます。デスクトップ管理
タスク フォースにより開発された業界標準プロトコルで、主としてクライアントの管理に使用
されます。DMIは、クライアント システムについての問題レポートを効率的な方法で提供しま
す。DMIに準拠したコンピュータは、ネットワークを介してCMSにステータス情報を送信でき
ます。DMIは、WBEMやSNMPでは利用できないシステム インベントリ情報の収集にも対応し
ています。HP-UX CMSでは他のHP-UXシステムからの情報収集にDMIが使用されます。DMIはセ
キュアなプロトコルではありません。そのため、お使いのネットワークにアクセスできる者は
誰でもDMIトランザクションを傍受して内容を見ることが可能です。
SNMP。 SNMPは複雑なネットワークを管理するためのプロトコルが集まったものです。
SNMPはプロトコル データ ユニット(PDU)と呼ばれるメッセージを、ネットワーク内の別の
部分に送信することで機能します。SNMPに準拠したデバイス(エージェント)は、自分自身
に関する情報をMIB(Management Information Bases)に保存しており、SNMP要求に応えてこ
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