HP 6400/8400 Enterprise Virtual Array ユーザーガイド - Japanese (5697-2032, July 2012)

13 フェイルオーバー/フェイルバック設定の変更時の仮想ディスクプレゼンテーションへの
影響 (続き)
仮想ディスクプレゼンテーションへの影響新しい設定
ディスクが現在コントローラー B で提供されている場合は、コント
ローラー A に移動されます。 ディスクがコントローラー A で提供さ
れている場合は、そのままコントローラー A で提供されます。
パス A フェイルオーバー/フェイルバック
ディスクが現在コントローラー A で提供されている場合は、コント
ローラー B に移動されます。 ディスクがコントローラー B で提供さ
れている場合は、そのままコントローラー B で提供されます。
パス B フェイルオーバー/フェイルバック
無条件 LUN トランジション
無条件 LUN トランジションは、仮想ディスクの読み出し要求を最も多く受信したアレイコン
トローラーへ仮想ディスクの管理を自動的に委任します。 これにより非管理コントローラー上
での I/O 読み出し動作時のオーバーヘッドによる遅延が減少し、パフォーマンスが向上しま
す。 無条件 LUN トランジションは、VCS 4.x およびすべてのバージョンの XCS で使用できま
す。
仮想ディスクを作成する場合、仮想ディスクを管理するコントローラーを 1 つ選択します。
この管理コントローラーでは、ホストの読み出し/書き込み要求に対して仮想ディスクへの I/O
を発行することのみ可能です。 非管理コントローラーに読み出し I/O 要求が届いた場合、こ
の読み出し要求はサービスを行う管理コントローラーに転送される必要があります。 管理コン
トローラーは I/O 要求を発行し、読み出しデータをキャッシュに格納し、このデータを非管理
コントローラー上のキャッシュにミラーします。そして、この読み出しデータがホストへ転送
されます。 このような種類のトランザクションをプロキシ読み出しと呼びます。プロキシ読み
出しはさらなるオーバーヘッドを必要とし、パフォーマンスは最適な状態より劣化します。
(書き込み要求ではほとんど影響しません。なぜならすべての書き込みは、障害保護のため両コ
ントローラーのキャッシュにミラーされるからです。)
無条件 LUN トランジションを使用すると、仮想ディスクの読み出し要求の大多数がプロキシ
読み出しであるとアレイが検出した場合、アレイは仮想ディスクの管理を非管理コントロー
ラーへ委任します。 ほとんどの読み出し要求を受信したコントローラーが管理コントローラー
となるため、続いて起こる I/O のプロキシ読み出しオーバヘッドが減少され、パフォーマンス
が向上します。
無条件 LUN トランジションは、HP P6000 Continuous Access DR グループのすべてのメン
バーに対して無効です。 HP P6000 Continuous Access では、1 つの DR グループ内のすべての
メンバーは同じコントローラーで管理する必要があります。グループ内のいずれかの仮想ディ
スク上で過度のプロキシ読み出しが検出された場合、DR グループのすべてのメンバーを移動
する必要があります。 これはパフォーマンスに大きな影響を与え、DR グループの他の仮想ディ
スクでプロキシ読み出し環境を作成することになります。 DR グループで無条件 LUN トランジ
ションを実行しないことが、DR グループの仮想ディスクで過度のプロキシ読み出しが発生す
る要因になる場合があります。
ストレージシステムのシャットダウンと起動
ストレージシステムは、HP P6000 Command View を使用してシャットダウンします。 シャッ
トダウンプロセスでは、次の動作が以下の順序で実行されます。
1. キャッシュをフラッシュします。
2. コントローラーの電源を切ります。
3. キャッシュバッテリの電力を無効にします。
4. ディスクエンクロージャーの電源を切ります。
5. HP P6000 Command View からシステムを切断します。
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