HP 6400/8400 Enterprise Virtual Array ユーザーガイド - Japanese (5697-2032, July 2012)
シングルパス機能により、予算の割り当てが柔軟になります。 HBA のコストが増えてもパス
あたりのコストを削減でき、ミッションクリティカルではないアプリケーションではマルチパ
スソフトウェアを使用しません。 サーバーは、マルチパスソフトウェアを使わなくてもシング
ルパス HBA で EVA にアクセスできます。 このような構成により、サーバーやインフラストラ
クチャ全体でコストを削減できます。
インストールの要件
• ホストのゾーン配置には、階層型ストレージ仮想化 (HSV) コントローラーがシングルパス
HBA ホストに提示するストレージデバイスにアクセスする、任意の EVA WorldWide ID
(WWID) を使用します。 ゾーン構成では、HBA および HSV WWID を使用することをお
すすめします。
• HP-UX、Solaris、Microsoft Windows Server、Linux、IBM AIX などのオペレーティングシス
テムでは、ゾーンはシングルパス HBA と HSV コントローラーポート 1 つで構成されま
す。
• OpenVMS と Tru64 UNIX オペレーティングシステムでは、ゾーンはシングル HBA システ
ムと 2 つの HSV コントローラーポートで構成されます。 これにより、この構成では、デ
バイス 1 台あたり 2 本のパスがあり、マルチパス構成になります。
リスクの軽減
EVA は、ミッションクリティカルなエンタープライズ環境向けに設計されています。 マルチ
パスソフトウェアを使用することにより、高いデータ可用性とフォールトトレランスが実現さ
れます。 シングルパス HBA サーバー構成では、マルチパスソフトウェアとリダンダント I/O
パスはいずれも使用されません。 サーバーベースのオペレーティングシステムは、I/O パスで
予期しない障害イベント (サーバーとデータストレージ間の接続が失われた場合など) が発生し
た場合の障害復旧には対応していません。 高可用性構成を行わない場合、ほとんどのオペレー
ティングシステムで予期しない動作が発生する危険があります。
シングルパス HBA 構成にはこのようなリスクがあるため、HP は次のような対処方法を推奨し
ます。
• ミッションクリティカルではない、または可用性が高くないサーバーをシングルパス HBA
構成にします。
• シングルパスサーバーとストレージを頻繁にバックアップします。
サポートされている構成
わかりやすくするために、構成例ではすべて同一機種の小規模なストレージエリアネットワー
ク (SAN) を使用します。 デュアルパスとシングルパスの HBA システムを SAN で混在するこ
とが可能です。 異機種混在の SAN 構成については、次の HP Web サイトに掲載されている
『SAN Design Reference Guide』を参照してください。
http://h18006.www1.hp.com/products/storageworks/san/documentation.html (英語)
一般的な構成コンポーネント
どのような構成でも、次のコンポーネントが必要です。
• Enterprise XCS ソフトウェア
• HBA
• ファイバーチャネルスイッチ
シングルパス HBA サーバーとファブリックゾーンのスイッチの接続
各ホストは、標準のファイバーチャネルケーブルを使って 1 つのスイッチ (ファブリック) に
接続する必要があります。 ホストにはシングルパス HBA が実装され、これが SAN 上のスイッ
チ経由で EVA のポートに接続されます。
シングルパス HBA サーバーには、接続を管理するソフトウェアや、HBA が検出するコントロー
ラーポートが 1 つしかないことを確認するソフトウェアがないため、シングルパス HBA サー
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