Instruction Manual

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5.0説明と設計機能
入力と出力の回転方向は同じです。(例:時計方向の入力を使
うと、時計方向の出力回転が得られます)。トルクマルチプラ
イヤーは、遊星ギヤの作用を利用して、時計方向または反時計
方向の360°連続回転により、締め付け/緩めトルクを発生しま
す。内蔵型の双方向バックラッシ防止装置は、トルクの巻き上
げ解放事故を防止します(この装置はE290+、E291、E391にはあ
りません)。
注意:反力は出力と同じ大きさで、入力/出力とは反対の回転方
向に掛かります。
反力支持バーは、位置決めピンまたは六角穴付きキャップスク
リュー(モデルによる)によって取り付けられます。反力支持
プレートは、六角穴付きキャップスクリューによって取り付け
られます。
せん断防止出力スクエアドライブ(図1の品目4)は、最大出力
を超えたときに、内部部品を保護します。この過負荷防止機能
により、出力が定格最大出力の103~110%に達すると、ドライ
ブ自体が破断します。トルクマルチプライヤーには、交換用ド
ライブが1個付属しています(E391, E392, E393, E492, E493,
E494,E495の場合)。(追加の交換部品はEnerpacの販売代理店
から購入してください。)
動力駆動によるトルク操作を行うには、セレクターポール(図
3、品目3)を中立位置に設定し、中立位置セットスクリュー(
図3、品目3)を締め付けてセレクターポールをロックしなけれ
ばなりません。セレクターポールは、手動入力の場合に、トル
クマルチプライヤーの回転方向を設定するのに使用します。(
E290+、E291、E391の各モデルにはありません)。インパクトレ
ンチは、駆動源として使用しないでください。マルチプライヤ
ーの動力伝達系を破損します。
6.0トルクの換算
トルクマルチプライヤーに付属のデータプレートには、各出力
トルク値を得るために必要な入力トルクが記載されています。
データプレートに記載されていない特定の入力値は、目的の出
力トルクをマルチプライヤーのトルク比で割り算して求めま
す。仕様表を参照してください。
7.0手動操作
1. 注意:反力は出力と同じ大きさで、入力/出力とは反対の回
転方向に掛かります。
2.セレクターポール(図3、品目3)を押し、目的の回転方向に
セットします。回転方向は、ケースの入力側に文字と矢印
で刻印されています。たとえば、「CCW」は反時計方向なの
で、反時計方向に回転する場合は、CCWと刻印された矢印の
方向にセレクターポールを押し込みます。時計方向の場合
は、CWの方向に押し込みます。(E290+、E291、E391の各モ
デルにはありません)。
3.適切なサイズのスクエアドライブソケット(メス)をトルク
マルチプライヤーの出力スクエアドライブ(図1、品目4)
に取り付けます。操作の対象とする締結部品に対して、ソ
ケットとトルクマルチプライヤーを位置決めします。
4.反力プレートモデルの場合:適切なサイズのソケットをスレ
ーブスクエアドライブに合わせ、隣接する締結部品に取り
付けます。
反力バーモデルの場合:反力バーを適切な物体にしっかり
とあてがいます。注意:締結部品にソケットを適切に位置
決めしたときに、反力バーはトルクを掛ける締結部品に対
して直角にならなければなりません(図7)。トルクマルチ
プライヤーの反力に関する詳細は、セクション10.0のアプ
リケーション情報を参照してください。
5.トルクレンチを使用して締め付ける操作:適切な必要入力ト
ルクは、ツール上のトルクデータプレートを参照するか、
セクション4.0の仕様表を参照して決定してください。出力
トルクの精度が必要な場合は、トルクマルチプライヤーと
高精度のトルクレンチを連結する必要があります。目的の
入力トルクが得られるまで、トルクレンチにトルクを付加
します(図5)。
警告:過大なトルクや疲労によって出力用スクエアドライ
ブに不具合が生じると、トルクが急に解放され、トルクマ
ルチプライヤーが締結部品から落下して負傷の原因になる
恐れがあります。
6.トルクマルチプライヤーを締結部品から外す方法:
 バックラッシ防止モデルの場合:トルクレンチを使用し
て、内部バックラッシ防止装置を解放するのに十分な入力
トルクを与えます。入力トルクを維持したまま、セレクタ
ーポール(図3、品目3)を反対側(例:CWだった場合には
CCW)に押し入れます。入力トルクを徐々に減らします。(
E290+、E291、E391の各モデルにはありません)。
標準モデルの場合:目的の値のトルクを掛けた後で、ゆっ
くりと入力トルクを減らし、最後に対象からマルチプライ
ヤーを外します(E290+、E291、E391モデルの場合)。
7.トルクレンチを使って緩める操作:セレクターポールの設定
が逆になるだけで、その他は締め付けの場合と同様に操作
します。
8.0空気圧の使用
認定された衝撃性でない駆動源を使用します。空気圧を使用で
きるモデルは、E391、E392、E393、E492、E493、E494、E495だ
けです。セレクターポールを中立位置でロックします。中立位
置は「CW」と「CCW」の中間の位置で、セットスクリュー(図
3、品目2)を締め付けることによってロックします。
注意:セレクターポールは、中立位置に正しくセットしてセッ
トスクリューを締め付けると、いずれの方向にも動きません。
9.0スクエアドライブアッセンブリーの交換
9.1モデルE290PLUS、E291
1. 保持リングと環状シム(図4)をトルクマルチプライヤーの
ハウジングの入力側から取り外します。
2.ギヤケージアッセンブリーをリングギヤ(トルクマルチプ
ライヤーハウジング)から取り外します。
3.入力ピニオンをギヤケージアッセンブリーから引っ張りなが
らねじって取り外します。アーバープレスを使ってダウエ
ルピンを遊星ギヤから取り外します(図4)。
4. ギヤケージアッセンブリーをEnerpac純正交換部品に交換し
ます。
5.アーバープレスを使って、遊星ギヤをケージアッセンブリ
ー内に戻します。
6.ハイグレードの二硫化モリブデン入りグリースを、摩擦の
発生するすべての部分に塗布します。
7.入力ピニオンを元に戻し、アッセンブリーをリングギヤ(
トルクマルチプライヤーハウジング)に組み付けます。シ
ムと保持リングを元に戻します。
9.2モデルE391、E392、E393、E492、E493、E494、E495
1.反力プレート(図1、品目1)をトルクマルチプライヤーに
取り付けている3本のネジ(図1、品目2)を外し、反力プレ
ートをトルクマルチプライヤーから外します。
2.ギヤケージを出力スクエアドライブに組み付けているピン
を外し、古いスクエアドライブを取り外します。
3.新しいスクエアドライブアッセンブリーをスクエアドライ
ブキャリアーに組み入れ、新しいスクエアドライブの下部
にある穴をスクエアドライブキャリアーの穴と合わせま
す。