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74 用語集
非冗長仮想ディスク — 障害の発生した物理ディスクの再構築に使用できる
冗長データが物理ディスク上に格納されていない仮想ディスクです。RAID 0 の
仮想ディスクは、複数の物理ディスクにまたがってストライプされたデータで構
成されており、ディスクミラーリングやパリティによって冗長性が提供されてい
ません。この構成では高いデータスループットが実現する一方で、物理ディスク
に障害が発生した場合にデータが保護されません。
ファームウェア — ROM(read-only memory)または PROM(Programmable
ROM)に格納されたソフトウェアでしす。多くの場合、最初にシステムの電源
が投入された時のシステムの動作はファームウェアが担います。その典型例は、
システム内のモニタープログラムです。モニタープログラムは、ディスクまたは
ネットワークから OS 全体をロードし、次に OS に制御を渡します。
フォーマット — 特定の値を物理ディスク上のすべてのデータフィールドに
書き込み、読み取り不能または不良のセクターをマップアウトする処理。ほとん
どの物理ディスクは製造時にフォ
ーマット済みであるため、フォーマットの実行
は通常、物理ディスクにメディアエラーが多数発生した場合に限られます。
フォールトトレランス — フォールトトレランスは、仮想ディスク内の物理
ディスクで単一のドライブ障害が発生しても、データの整合性まおよび処理機能
を損うことのない、ディスクサブシステムの機能です。PERC S110 アダプタ は、
RAID レベル 1、5 および 10 の冗長仮想ディスクによってこのサポートを提供し
ます。フォールトトレランスは、ドライブの障害発生時にシステムを利用可能な
状態に保つため、システムの可用性と関連の深い機能です。ディスクに障害が発
生した場合に備えて、PERC S110 アダプタはホットスペアディスクとオートリビ
ルド機能をサポートしています。
負荷バランシング — 負荷バランシングは、複数のコンピュータ間、ネット
ワークリンク間、CPU 間、物理ドライブ間、または他のリソース間で作業を分
散させる方法です。負荷バランシングは、リソースの使用、スループット、又は
応答時間を最大化するために使用します。コントローラでは、バランシングサー
ビスは、ファームウェアによって実行されます。負荷バランシング用の単
一パス
か、「ラウンドロビン」負荷バランシングスキームを選択できます。単一パスの
場合、ファームウェアはデバイスへの複数のパスを検出できますが、そのデバイ
スへの I/O 処理には単一のパスのみを使用します。プライマリパスで障害が検出
された場合、セカンダリパスが使用されます。コントローラの負荷バランシング
を有効にすると、ファームウェアによってラウンドロビンスキームが実装され、
冗長パスのデバイスに対して I/O が発行されます。ラウンドロビンスキームで
は、1 つの I/O を 1 つのパスに、別の I/O を第 2 のパスにといったように I/O を
発行します。ファームウェアには、最初に選択するパスに関する制限はありませ
ん。負荷バランシングを無効にした場合、ファームウェアは使用可能ないずれか
のパスを使用して I/O を発行し、以降のすべての I/O 処理で同一のパスをそのま
ま使用します。再起動時またはパスでの障害発生時には、ファームウェアは使用
可能なパスのいずれかを再度選択します。