Users Guide
36 ストレージコントローラ機能
冗長パスと負荷バランシングのサポート
PERC H800 アダプタは、エンクロージャに含まれるディスクへの冗長パスを
検出し、使用することができます。このため、コントローラとエンクロージャ
を
2 本の SAS ケーブルで接続し、パスの冗長性を確保できます。ケーブルや
エンクロージャ管理モジュール(
EMM)に不具合が生じた場合に、コント
ローラはもう一方のパスを利用することによってこれに対処できます。
冗長パスが存在する場合、コントローラは自動的に各ディスクへの両方のパス
を通じて
I/O の負荷バランスを調整します。負荷バランスは冗長パスが検出さ
れると自動でオンになり、ストレージエンクロージャ内仮想ディスクへのス
ループットを増加します。
I/O の負荷バランス機能は、Dell OpenManage ス
トレージ管理アプリケーションを使って無効化することができます。冗長パス
をサポートするようにハードウェアをセットアップする方法については、
63 ページの「PERC H800 アダプタにおける冗長パスサポートのセットアッ
プ」
を参照してください。
メモ: 冗長パスのハードウェアサポートとは、コントローラの冗長性ではなく、
パスの冗長性のみを意味します。
Replace Member(メンバー交換)機能と回復可能ホットスペアの
使い方
Replace Member(メンバー交換)機能を利用すると、以前に作動させた
ホットスペアを使用可能なホットスペアに戻すことができます。仮想ディスク
内でディスクの不具合が発生すると、割り当てられたホットスペア(専用また
はグローバル)が作動し、仮想ディスクが最適な状態になるまで再構築が行わ
れます。不良ディスクが(同じスロットで)交換され、ホットスペアへの再構
築が完了すると、コントローラは作動させたホットスペアから新たに挿入され
たドライブへのデータのコピーを自動的に開始します。データのコピーが完了
すると、新しいディスクは仮想ディスクの一部となり、ホットスペアは元のス
タンバイ状態のホットスペアに戻ります。これにより、ホットスペアは特定の
エンクロージャのスロットに挿入したまま動かさずに済みます。コントローラ
がホットスペアを回復している間も、仮想ディスクは最適な状態のままです。
メモ: コントローラがホットスペアを自動的に元の状態に戻すのは、同じスロッ
トで不良ディスクを新しいドライブに交換した場合に限られます。新しいディスク
を同じスロットに挿入しない場合は、手動で
Replace Member(メンバー交換)
作業を行い、以前に作動させたホットスペアを元の状態に戻すことができます。