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概要 13
RAID レベルの概要
RAID 0
では特に、データの冗長性を必要としない環境で大きなファイルを扱う際に、ディスクスト
ライピングを使用して高いデータスループットを実現します。
RAID 1
ではディスクミラーリングを使用し、
1
台の物理ディスクに書き込まれるデータが同時に別
の物理ディスクにも書き込まれます。
このタイプの
RAID
は、大容量を必要としない代わりにデー
タの完全な冗長性を必要とする小型のデータベースその他のアプリケーションに適しています。
RAID 5
では、すべての物理ディスクにまたがるディスクストライピングとパリティデータ(分散パ
リティ)が使用され、特に小さなランダムアクセスを対象に高いデータスループットとデータの冗
長性が実現します。
RAID 10
は
RAID 0
と
RAID 1
の組み合わせで、ミラースパンにまたがっるディスクストライピン
グが利用されます。
RAID 10
では高いデータスループットとデータの完全な冗長性が実現します。
RAID 50
は
RAID 0
と
RAID 5
の組み合わせで、分散データパリティとディスクストライピングが利
用されます。システムの可用性、要求レート、データ転送の要求が高く、中から大の容量が要求さ
れるデータに最適です。
RAID の用語
ディスクストライピング
ディスクストライピングを利用すると、
1
台だけの物理ディスクではなく、複数の物理ディスクに
またがってデータを書き込むことができます。
ディスクストライピングでは、各物理ディスクの
ストレージスペースが複数のストライプ(
8 KB
から
128 KB
の範囲)に分割されます。このサイ
ズはストライプサイズと呼ばれます。
これらのストライプは、連続して、繰り返しインタリーブ
されます。
1
台の物理ディスク上のストライプの一部は、ストリップと呼ばれます。
たとえば、
RAID
レベルが
0
の場合のようにディスクストライピングのみを使用する
4
台のディス
クからなるシステムでは、セグメント
1
はディスク
1
に、セグメント
2
はディスク
2
に、というよ
うに書き込まれます。
ディスクストライピングによってパフォーマンスが向上するのは、複数の
ディスクに同時にアクセスが行われるからですが、ディスクストライピングではデータの冗長性は
実現しません。
ディスクストライピングの一例を
図
1-1
に示します。
図 1-1 ディスクストライピング(RAID 0)の例
ストライプエレメント 1
ストライプエレメント 5
ストライプエレメント 9
ストライプエレメント 2
ストライプエレメント 6
ストライプエレメント 10
ストライプエレメント 3
ストライプエレメント 7
ストライプエレメント 11
ストライプエレメント 4
ストライプエレメント 8
ストライプエレメント 12










