Users Guide
RAC テストでは、 IT アドミニストレータはシステムに継続してアクセスできるため、監視、制御、更新、回復などのシステム管理機能を完全に使用できます。 RAC は PCI 拡張スロットに接続するか、
システムボードに組み込むことができます。 DRAC III 以上が列挙されてテストされますが、DRAC II は列挙だけで、テストされません。
RAC テストでは以下のテストが実行されます。
l POST 結果テスト — RAC ハードウェアとファームウェア上で電源オンセルフテスト(POST)を実行し、POST 操作の結果を取得してエラーがあれば報告します。
l インバンドアクセステスト — RAC の帯域内アクセス(オペレーティングシステム経由)に使われるシステムで稼動している RAC 固有のサービスの状態をチェックします。
l バンド外部テスト — RAC の帯域外接続(RAC の NIC)を検証します。 最初に NIC が RAC で有効になっているか、有効な IP アドレスが割り当てられているかを調べます。 その後、この
IP アドレスで実行されている HTTPS サービスに接続できるかどうかチェックします。
omdiag chassis serialport
omdiag chassis serialport コマンドを使用すると、すべての 9-ピン(AT)と 25-ピン(PC、XT、および PS/2) シリアルポートをテストできます。 以下のテストを実行します。
l シリアルポートレジスタテスト — 異なるデータパターンをシリアルポートの読み書きレジスタに書き込み、読み取り直してから、書き込まれたデータと照らし合わせてデータを検証します。 この
テストで書き込まれた文字と読み取られた文字に相違が検出された場合は、エラーが記録され、テスト結果に「失敗」と表示されます。
l 内部ループバックテスト — 特にテスト用に内部ループバックモードを持つシリアルポートをテストします。 このテストでは内部ループバックモードを使って、データの送受信を行い、受け取った
データが送信したデータと一致するかどうか比較します。 書き込み専用と読み取り専用の バッファをテストします。 バッファオーバーランなどのエラー状態も検出します。
l ボーレートテスト — システムクロックに対してポートの速度を検証し、ボーレートが許容範囲内であることを確認します。 適切な値をディバイザラッチバイトに書き込むと、ボーレートを制御でき
ます。 ポートは 2 秒間(内部ループバックモードで)送受信を行い、送信して受信した文字数が 10 で割ったボーレートの 2 倍であるかどうかをチェックします(1 バイトを転送するには 10 ビッ
トを使用)。
l 割り込みテスト — 主なイベントが発生したときにシリアルポートが割り込み要求(IRQ)を生成または受信していることを確認します。 そうでない場合は、エラーイベントが生成され、テストに失
敗します。
omdiag chassis usbctrl
omdiag chassis usbctrl コマンドは USB コントローラのテストに使用します。
USB テストは以下のテストを実行します。
l USB ノード検出テスト — USB バスをスキャンして、テスト対象の USB コントローラに接続している USB デバイスをすべて列挙します。 USB 診断では、システムボードのさまざまな USB コ
ントローラが列挙されます。 オンボード USB コントローラのほか、PCI スロットに挿入されている USB コントローラカードや、USB コントローラのポートに接続している他の USB デバイスも列
挙されます。 このテストは、テスト対象の USB コントローラからホットプラグまたはプラグ解除されるデバイスを調べます。
omdiag storage
omdiag storage コマンドを使用すると、CD ドライブ、DVD ドライブ、ディスクドライブ、ハードドライブ、テープドライブ、SCSI や RAID コントローラなど、システムのストレージコンポーネントのテス
トを実行できます。
omdiag storage -?
omdiag storage -? コマンドを使うと、システムのすべてのストレージコンポーネントを表示できます。
omdiag storage cddvd
omdiag storage dvdvd コマンドを使用すると、CD および DVD ドライブをテストできます。
CD ドライブや DVD ドライブのテストでは、テストを複数実行して、ドライブが適切に機能していることを確認します。 このテストではシステムにある CD または DVD ドライブ数を検出し、適切な CD ま
たは DVD メディアをサポートしているドライブのみをテストします。 このテストを実行するには、テストするドライブにデータ CD や DVD(プログラム CD や DVD、またはシステムのリカバリ CD や
DVD など)が入っている必要があります。 標準的な音楽 CD はテストには向いていません。
メモ: 診断を実行するには、すべての RAC ドライバがシステムにインストールされており、RAC 固有のサービスがシステムで実行されている必要があります。
メモ: Windows レジストリが不正な RAC ドライバのインストールやアンインストールによって破損している場合、RAC 診断で予想外の結果が生じることがあります。
注意: このテストによって、モデムなどシリアルポートに接続しているデバイスが正常に動作しなくなる可能性があります。 テストの実行時には、接続している外部デバイスをオフにすることをお
勧めします。
メモ: 次のテストは、サポートされている Microsoft Windows および Red Hat Enterprise Linux(バージョン 3 以降)のオペレーティングシステムを実行しているシステムで使用できま
す。
メモ: Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステムを実行しているシステムでは、診断の列挙中に USB デバイスをサーバーから接続または取り外すと、システムがハングするこ
とがあります。
メモ: USB CD または DVD ドライブをテストしている場合、列挙時に存在する USB CD または DVD ドライブをテスト時に切断しないようにしてください。 テストする CD ドライブに CD が入っ
ている必要があります。