Users Guide
電源ポリシー 103
動的電源ポリシーの仕組み
動的ポリシーの仕組みについて理解するには、まず次の用語について理
解する必要があります。
•
消費
:
デバイスの使用電力です。
•
電力の上限
:
デバイスが消費することを許可された最大電力量です
(
需要と等しいとは限りません
)
。
•
電力余裕
:
電力ポリシーにおけるデバイスまたはデバイス
グループの
電力の上限と電力消費の差分です。
•
需要
:
負荷を処理するためにデバイスが要求する電力量です。
動的電源ポリシーの最優先事項は、グループの電力の上限を維持するこ
とです。この上限を維持することは、上限を超える電力を必要とせず
に、すべてのデバイスが負荷を処理できることを意味します。ポリシー
で設定された各デバイスの電力の上限がほぼ保たれた状態で、電力の上
限のほとんどまたは全体が配分されている場合は、デバイス グループ
に電力の上限を配分するときにデバイスの優先度が考慮されないことが
あります。優先度が低いデバイスでも、上限を保つために電力をさらに
必要とする場合には、実際に優先度が高いデバイスよりも多くの電力が
供給されることもあります。電力の上限の制約が厳しすぎ、グループの
電力消費が電力の上限を上回る場合は、電源ポリシーのイベントが送信
されます。1 つ以上のデバイスが、割り当てられた電力の上限を超え、
電源ポリシーの違反が定常的に発生する場合は、電力の割り当てを再検
討するか、負荷を調整する必要があります。
電源ポリシーで、すべてのデバイスに対して適切な電力の上限が確立さ
れ、その後でデバイスの電力要件が変動した場合は、あるデバイスでよ
り多くの電力が必要になったとしても、ポリシーで別のデバイスに割り
当てられた電力の上限を低くすると、その別のデバイスがポリシーに違
反することになるため、電力を獲得できないことがあります。ポリシー
で 1 つ以上のデバイスの上限を強制的に低い値に設定するときは、デバ
イスの静的電源ポリシーを低いレベルで作成できます。この場合は、重
複するポリシーの中で最も制限を受けた電力の上限がデバイスに適用さ
れます。
ポリシーで定義されたすべてのデバイスの電力の上限要件が満たされた
後に、電力の上限で電力が余った (電力余裕と呼ばれる) 場合は、電源
ポリシーで定義されたデバイスの優先度と需要に従って、この余った電
力を動的に割り当てることができます。