Administrator's Guide
322 オペレーティングシステムの機能
単一インスタンス記憶域
単一インスタンス記憶域(
SIS
)は、ボリュームに格納された冗長データの量を減らすことで、使用
可能なディスクスペースを回復します。ディスクスペースを回復するために、
SIS
は次の手順を実行
します。
•
同一のファイルを確認する。
•
SIS
コモンストアにファイルのコピーを
1
つ格納する。
•
ファイルを、
SIS
コモンストア内のファイルに対するポインタに置き換えます。
たとえば、ユーザー
1
とユーザー
2
が添付ファイル付きの同じ
E-
メールを受信します。どちらの
ユーザーも添付ファイルを各自のホームフォルダに保存します。
SIS
は、ボリューム上の
2
つの同
一のファイルを検出し、コピーの
1
つを
SIS
コモンストアに移動してから、両方のファイルを
SIS
コモンストア内のファイルに対するポインタに置き換えます。
少しして、ユーザー
1
がファイルに変更を加えます。
SIS
は、そのファイルへのアップデートが行
われようとしていることを直ちに検知し、ユーザーのホームフォルダ内のポインタを削除し、ポイ
ンタを
SIS
コモンストア内のファイルのコピーに置き換えます。次に、元のファイルの最新のコ
ピーにアップデートが適用されます。このプロセスは、アプリケーションに対して完全に透過
的です。
ファイルに対するポインタが
1
つしかなくても、ユーザー
2
のファイルは、ユーザーのホームフォ
ルダにポインタがある状態で
SIS
コモンストア内に留まります。ユーザー
2
がファイルをアップ
デートすると(他にポインタがないと仮定した場合)、ポインタは削除され、元のファイルのコピー
に置き換えられます。
SIS
コモンストア内のファイルは削除されます。
SIS
はバックグラウンドで実行され、ユーザーは何も行う必要がありません。管理者は、ボリューム
ごとに
SIS
を有効にすることができます。最良の結果を出すには、管理者は
SIS
をサポートする
バックアップアプリケーションを使用してください。
単一インスタンス記憶域の管理
SIS
は
sisadmin.exe
というコマンドラインツールによってのみ管理できます。
Sisadmin.exe
コマンドラインのパラメータを
表
2-2
に一覧表示します。
表 2-2 Sisadmin.exe コマンドラインのパラメータ
コマンド 説明
/i [vol]
すべてのボリュームに
SIS
をインストールし、コモンストアを作成し、
フィルターと
groveler
をアクティブにします。
/f [vol]
groveler
をフォアグラウンドモードにします。
/b [vol]
groveler
をバックグラウンドモードにします。
/e
すべてのボリュームで
groveler
を有効にします。