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• スパン — 物理ディスクグループのストレージ容量を RAID 10、50 または 60 の仮想ディスクとして組み合わせるために使用する RAID 技術。
RAID レベル
各 RAID レベルではミラーリング、ストライピング、パリティを併用することでデータ冗長性や読み書きパフォーマンスの向上を実現します。各 RAID レベル
の詳細については、「RAID レベルの選択」を参照してください。
可用性とパフォーマンスを高めるためのデータストレージの編成
RAID は、ディスクストレージをまとめるための異なる方法または RAID レベルを提供します。一部の RAID レベルでは、ディスクの障害発生後にデータを
復元できるように冗長データが維持されます。
RAID レベルが異なると、システムの I/O(読み書き)パフォーマンスが影響を受けることがあります。
冗長データを維持するには、追加の物理ディスクを使用する必要があります。ディスク数が増えると、ディスク障害の可能性も増加します。I/O パフォーマ
ンスと冗長性に違いがあるため、オペレーティング環境のアプリケーションと保存するデータの性質によってはある
RAID レベルが他の RAID レベルより適し
ている場合があります。
RAID レベルを選択する場合は、パフォーマンスとコストに関する次の注意事項が適用されます。
• 可用性または耐障害性 — 可用性または耐障害性とは、システムのコンポーネントの 1 つに障害が発生しても動作を継続し、データへのアクセスを
提供することができる、システムの能力を指します。RAID ボリュームでは、可用性またはフォールトトレランスは冗長データを維持することによって達成
できます。冗長データにはミラー
(複製データ)とパリティ情報(アルゴリズムを使用したデータの再構成)が含まれています。
• パフォーマンス — 選択する RAID レベルによって、読み取りおよび書き込みパフォーマンスが向上したり低下したりします。アプリケーションによって、よ
り適している
RAID レベルがあります。
• コスト効率 — RAID ボリュームに関連付けられている冗長データまたはパリティ情報を維持するには、追加のディスク容量が必要です。データが一時
的なものである、簡単に複製できる、不可欠ではない、といった場合は、データ冗長性のためのコスト増は妥当とは言えません。
• 平均故障間隔(MTBF) — データ冗長性を維持するために追加ディスクを使用することは、常にディスク障害の可能性を増加させます。冗長デ
ータが必要な状況ではこのオプションは避けられませんが、社内のシステムサポートスタッフの仕事量は増加すると考えられます。
• ボリューム — ボリュームは、単一ディスクによる非 RAID 仮想ディスクを指します。O-ROM<Ctrl> <r> などの外部ユーティリティを使ってボリュームを
作成できます。
Storage Management はボリュームの作成をサポートしません。ただし、十分な空き容量がある場合は、ボリュームを表示し、これら
のボリュームからドライブを使って新しいボリュームディスクや既存の仮想ディスクの Online Capacity Expansion(OCE)を作成できます。
RAID レベルの選択
RAID を使用して、複数のディスクのデータストレージをコントロールすることができます。それぞれの RAID レベルまたは連結には異なるパフォーマンスとデ
ータ保護機能があります。
メモ
: H3xx PERC コントローラは RAID レベル 6 および 60 をサポートしません。
各 RAID レベルでデータを保存する方法と、それぞれのパフォーマンスおよび保護機能について次のトピックで説明します。
• RAID レベル 0(ストライピング)
• RAID レベル 1(ミラーリング)
• RAID レベル 5(分散パリティを用いたストライピング)
• RAID レベル 6(追加された分散パリティを用いたストライピング)
• RAID レベル 50(RAID 5 セット全体へのストライピング)
• RAID レベル 60(RAID 6 セット全体へのストライピング)
• RAID レベル 10(ミラーセット全体へのストライピング)
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ストレージデバイスの管理