Administrator Guide
ファームウェアアップデートについて
コントローラ モジュール、拡張モジュール、ディスク ドライブには、それらを動作させるファームウェアが含まれています。新し
いファームウェア バージョンが利用可能になると、工場またはお客様のメンテナンス デポでインストールされます。お客様のサイ
トのストレージ システム管理者によってインストールされる場合もあります。デュアル コントローラ システムについては、次のフ
ァームウェア アップデートのシナリオがサポートされています。
• 管理者が 1 個のコントローラで新しいバージョンのファームウェアをインストールし、そのバージョンをパートナー コントローラ
にも転送する場合。
• 特定のファームウェア バージョンを使用するシステムで、管理者が 1 個のコントローラ モジュールを交換し、残りのコントロー
ラを新しいコントローラ(古いまたは新しいファームウェアが含まれる可能性がある)へ転送する場合。
コントローラ モジュールが工場でエンクロージャにインストールされる場合、エンクロージャのミッドプレーン シリアル番号とフ
ァームウェア アップデートのタイムスタンプは、コントローラのフラッシュ メモリ内の各ファームウェア コンポーネントに記録さ
れます。設定が変更されたり、デフォルトにリセットされたりしても消去されません。これら 2 種類のデータは、工場でインスト
ールされていない交換用のコントローラ モジュール内には存在しません。
PFU(パートナー ファームウェア アップデート)オプションを有効にしてコントローラのファームウェアをアップデートすると、同
じバージョンのファームウェアが両方のコントローラ モジュールにインストールされます。PFU は次のアルゴリズムを使用して、ど
のコントローラ モジュールがパートナーをアップデートするかを決定します。
• 両方のコントローラが同じファームウェア バージョンを実行している場合、変更は加えられません。
• 適切なミッドプレーン シリアル番号を所有するファームウェアが 1 個のコントローラだけにしかない場合、ファームウェア、ミ
ッドプレーン シリアル番号、そのコントローラの属性はパートナー コントローラに転送されます。両方のコントローラに対する
ファームウェア アップデートの動作は、システムの設定によって異なります。
• 両方のコントローラのファームウェアに適切なミッドプレーン シリアル番号がある場合、最新のファームウェア アップデートの
タイムスタンプを所有するファームウェアがパートナー コントローラに転送されます。
• どちらのコントローラのファームウェアにも適切なミッドプレーン シリアル番号がない場合、コントローラ A のファームウェア
バージョンがコントローラ B に転送されます。
メモ: Dell EMC は、テクニカル サポートによる指示がない限り、PFU オプションを有効にしてコントローラ ファームウェアを
アップデートすることを推奨します。
コントローラ モジュール、拡張モジュール、ディスク ドライブのファームウェアをアップデートする手順の詳細については、「ファ
ームウェア アップデート 、p. 62」を参照してください。このトピックでは、アクティビティ進行状況インタフェイスを使用して、
ファームウェア アップデートの進行状況に関する詳細情報を表示する方法も説明されています。
管理ログについて
ストレージ システムが動作するにつれて、いくつかのタイプのログ ファイルに診断データが記録されます。ログ ファイルのサイズ
は制限されているため、時間の経過および活動がアクティブになっている期間中に、これらのログがいっぱいになり、最も古いデ
ータが上書きされます。管理ログ機能を使用すると、ログ データをログ収集システムに転送し、後で検索してデータが失われる前
に保管することができます。
ログ
収
集システム
は、ストレージ システムから転送されたログデータを受信するように指定されたホ
スト コンピュータです。転送によってストレージ システム内のログからデータが削除されることはありません。この機能はデフ
ォルトで無効になっています。
管理ログ機能は、
プッシュ
モ
ー
ド
または
プル
モ
ー
ド
で動作するように設定できます。
• プッシュ モードでは、ログ データがかなりのサイズまで蓄積されると、ストレージ システムはログ ファイルが添付された通知
を E メール経由でログ収集システムに送信します。この通知では、ストレージ システムの名前、場所、連絡先、IP アドレスが
指定され、圧縮された zip ファイルにはシングル ログ セグメントが含まれます。ログ セグメントには、ログ ファイルの種類、
作成日時、ストレージ システムを示す一意の名前が付けられます。この情報は E メールの件名にも表示されます。ファイル名
の形式は logtype_yyyy_mm_dd__hh_mm_ss.zip です。
• プル モードでは、ログ データがかなりのサイズまで蓄積されると、E メール、SMI-S、SNMP を介してログ収集システムに通知
が送信され、FTP や SFTP を使用してストレージ システムから適切なログが転送されます。この通知では、ストレージ システ
ムの名前、場所、連絡先、IP アドレス、転送が必要なログファイルのタイプまたは地域を指定します。
管理対象のログ機能により、次のコントローラ固有のログ ファイルが監視されます。
• EC(エキスパンダ コントローラ)デバッグ データ、EC リビジョン、PHY 統計情報を含む EC ログ
• SC(ストレージ コントローラ)デバッグ ログおよびコントローラのイベント ログ
• SC ブート ログが含まれる SC クラッシュ ログ
• MC(管理コントローラ)のログ
各ログ ファイル タイプには、システム構成情報も含まれています。各ログ ファイルの容量状況と、すでに転送されたデータのス
テータスが維持されます。各ログ ファイルには、次の 3 種類の容量ステータス レベルが定義されています。
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