Administrator Guide
3 つのボリューム階層の親和性設定は次のとおりです。
• 親和性なし:この設定では、使用可能な最高位の実行階層が最初に使用され、他の階層のスペースが使い尽くされた場合にのみ
アーカイブ階層が使用されます。ボリューム データは、アクセス頻度と階層の空き容量に基づいて、より高位の階層に移動しま
す。
• パフォーマンス:この設定では、ボリューム データは優先的により高位のサービス階層に移動されます。使用可能なスペースが
ない場合は、より低位の実行階層のスペースが使用されます。ボリューム データは、アクセス頻度と階層の空き容量に基づい
て、より高位の階層に移動します。
メモ: パフォーマンスの親和性の設定には SSD 階層は不要で、使用可能な最高位のパフォーマンス階層を使用します。
• アーカイブ:この設定では、ボリューム データは優先的に最低位のサービス階層に移動されます。ボリューム データは、アクセ
ス頻度と階層の空き容量に基づいて、より高位の階層に移動できます。
メモ: ボリューム階層の親和性は固定ということではなく、データは特定の階層と容量に制限されません。アーカイブの親和性
を持つボリュームのデータでも、ホスト アプリケーションでデータが必要になると、パフォーマンス階層に昇格される可能性
があります。
ボリューム階層の親和性戦略
ボリューム階層の親和性は、利用可能な階層にある特定のボリュームのデータを、配置すべきシステムにガイドする機能を果たしま
す。
標準戦略では、新規のシーケンシャル書き込みには最高位の回転式ディスクの階層を、新規のランダム書き込みには利用可能な最
高位の階層(SSD を含む)を選択します。ホスト アプリケーションがデータにアクセスする際に、データは必要に応じて最も適切
な階層に移動されます。頻繁にアクセスされるデータは最高位のパフォーマンス階層に昇格され、アクセス頻度の低いデータは、低
位の回転式ディスクベースの階層に降格されます。親和性なしに設定されたボリューム上のデータは標準戦略に従います。
パフォーマンスの親和性に設定されたボリュームのデータについては、新規の書き込みはすべて標準戦略に従います。ただし、その
後データへのアクセスがあると、昇格の閾値が下げられます。閾値が下がると、そのデータはより高位のパフォーマンス階層で使用
できる可能性が高くなります。SSD 階層のパフォーマンスの親和性を持つデータが頻繁にアクセスされると、優先的に処理されま
す。パフォーマンスの親和性を持つデータのスペースを確保するために、アーカイブまたは非親和性データは SSD 階層から降格され
ます。パフォーマンスの親和性は、ボリューム データを優先的に最高位のパフォーマンス階層に昇格してそのまま維持することを
保証したい場合には便利です。
アーカイブの親和性に設定されたボリュームについては、新規の書き込みはすべて最初にアーカイブ階層に配置されます。アーカイ
ブ階層に使用可能なスペースがない場合、新規の書き込みは使用可能な次の高位階層に配置されます。その後のデータへのアクセ
スで、より頻繁にアクセスされる場合はパフォーマンス階層への昇格が可能になります。ただし、このデータは降格の閾値が低く
設定されます。頻繁にアクセスされるデータを低位の階層から昇格させる必要がある場合、このデータが最高位のパフォーマンス
SSD 階層から移動されます。
イニシエーター、ホスト、およびホスト グループについて
イニシエーターは、ストレージ システムを接続する外部ポートを指します。サーバー内の FC HBA など、I/O アダプターのポートが外
部ポートになる場合があります。
コントローラーは、inquiry コマンドまたは report luns コマンドをストレージ システムに送信したイニシエーターを自動的に
検出します。これは通常、ホストがデバイスを起動または再スキャンするときに発生します。コマンドを受信すると、システムで
はイニシエーター ID を保存します。また、イニシエーターのエントリーを手動で作成することもできます。たとえば、コントロー
ラー ポートがスイッチからホストに物理的に接続される前に、イニシエーターを定義することができます。
ボリューム マッピングを容易に識別できるように、イニシエーターにニックネームを割り当てることができます。名前を付けたイ
ニシエーターについては、そのイニシエーターのオペレーティング システムに固有のプロファイルを選択することもできます。名前
は最大 512 個割り当てることができます。
管理を容易にするために、1 つのサーバーで使用するイニシエーターを 1~128 個までホストにグループ化することができます。また、
1~256 個のホストをホスト グループにグループ化することもできます。これにより、イニシエーターやホスト個々にではなく、ホ
スト内のすべてのイニシエーターに対して、またはグループ内のすべてのイニシエーターとホストに対して、マッピング操作を実行
できます。イニシエーターには、ホストに追加するニックネームを付ける必要があり、1 つのイニシエーターは 1 つのホストのメン
バーにのみなることができます。ホストは、1 つのグループのメンバーにのみなることができます。ホストは、他のホストと同じ名
前を有することはできませんが、任意のイニシエーターと同じ名前にすることができます。ホスト グループは、他のホスト グルー
プと同じ名前を有することはできませんが、任意のホストと同じ名前にすることができます。ホスト グループは最大 32 個存在さ
せることができます。
iSCSI ポートのあるストレージ システムは、チャレンジ ハンドシェイク認証プロトコル(CHAP)を有効にすることによって iSCSI
を介して不正アクセスから保護することができます。CHAP 認証は、ホストがシステムへログ インを試行する際に発生します。こ
の認証には、ホストの識別子のほか、ホストとシステム間の共有シークレットが必要です。オプションとして、ホストでストレー
操作を始める 25