Administrator Guide
コントローラ モジュールが 1 個の 2U コントローラ エンクロージャを購入した場合は、冗長構成が提供されていないことに注意して
ください。コントローラに障害が発生した場合、システムはデータを使用できない危険性があります。詳細については、「シングル
コントローラによるデータ保護について」を参照してください。
メモ: 1 台のコントローラでシステムを操作している場合は、ドキュメントに記載されている一部の機能が使用できないか、ご
使用のシステムに該当しない可能性があります。たとえば、ストレージ プールが 1 個しか存在せず、コントローラのフェール
オーバーと復旧に関するテキストは適用されない場合があります。
スナップショットについて
仮想ボリュームのスナップショットを、お使いのシステムでサポートされる最大数まで作成できます。スナップショットにより、
スナップショット作成時点のソース ボリュームのデータ状態が作成されて保存されるため、データ保護機能が提供されます。スナ
ップショットは手動で作成するか、または作成をスケジュールすることができます。スナップショットの作成後にソース ボリュー
ムを拡張することはできません。
システムのスナップショットの最大数に達すると、既存のスナップショットを削除するまで新規のスナップショットを作成できな
くなります。システムのスナップショットの最大数を表示するには、PowerVault Manager のヘルプの「システム構成の制限事項」ト
ピックを参照してください。
システムは、他のボリュームと同様にスナップショットを処理します。スナップショットの目的に応じて、読み取り専用アクセス、
読み書きアクセス、またはアクセスなしのホストにスナップショットをマッピングできます。
スナップショットは、ソース ボリュームまたはスナップショットのデータを、スナップショットから作成されたスナップショット
のデータで置き換えるロールバック機能を使用します。
また、スナップショットはスナップショットのリセット機能も使用しており、スナップショット内のデータをソース ボリューム内
の現在のデータに置き換えることができます。スナップショットをリセットする際、スナップショットの名前とマッピングは変更
されません。
set snapshot-space CLI コマンドを使用すると、スナップショットに使用できるプールの割合(スナップショット領域)を設
定できます。オプションとして、スナップショット領域がその割合に達したときに実行される制限ポリシーを指定できます。この
ポリシーを設定して、割合に達したことをイベント ログで通知する(この場合、システムはスナップショットの作成を続けるた
め、一般的なプール領域が使用されます)か、通知してスナップショットの自動削除をトリガーすることができます。自動削除が
トリガーされると、設定された保存優先度に従ってスナップショットが削除されます。詳細については、『Dell EMC PowerVault ME4
Series Storage System CLI Guide』を参照してください。
スナップショットの作成とレベル
スナップショットの作成は、ソース ボリュームまたはスナップショットがポイントするものと同一のデータをポイントするだけで
実行可能な、高速かつ効率的なプロセスです。スナップショットではボリュームを参照するため、これらのボリュームは、ソース
ボリュームまたはソース スナップショットが変更されない限り、スペースを消費しません。
プール内のすべての領域がスナップショットに使用できるため、領域をスナップショット用に確保する必要はありません。簡単に
スナップショットのスナップショットを作成し、ボリュームを使用するのと同じ方法で使用することができます。スナップショッ
トの構造はボリュームと同じであるため、システムではそれらを同じように扱います。
スナップショットは他のスナップショットのソースになる可能性があるため、単一の仮想ボリュームが、多くのレベルのスナップ
ショットの大元となることがあります。元のベース ボリュームからはじまり、複数のレベルのスナップショットが、最大 254 個の
スナップショットを含むスナップショット ツリーを作成します。それぞれのスナップショットは、ツリーの葉と考えることもでき
ます。ツリー内のスナップショットが追加のスナップショットのソースである場合は、スナップショット ツリーの新しい枝が作成
され、子スナップショットの親スナップショット(枝の葉)と見なされます。
ツリーには、ボリュームと同一のスナップショット、または後で変更されたコンテンツが含まれている場合があります。スナップ
ショットの制限数である 254 個に達すると、既存のスナップショットをツリーから手動で削除するまで、ツリー内のアイテムのス
ナップショットを追加で作成することはできません。削除できるのは、子スナップショットを持たないスナップショットのみで
す。
スナップショット ツリーのベース ボリュームまたはツリー内のスナップショットを拡張することはできません。
スナップショットのロールバック機能とリセット機能
ロールバック機能を使用すると、選択したスナップショットの内容が作成以降に変更された場合、変更された内容はソース ボリュ
ームまたはスナップショットの内容をロールバック中に上書します。仮想スナップショットはポイント イン タイムのコピーであ
るため、変更されたスナップショットは元に戻せません。仮想スナップショットがソース ボリュームまたはスナップショットの内
容を元に戻せるようにしたい場合は、専用のスナップショットを作成してアーカイブし、その内容を変更しないようにします。
スナップショットについては、3 階層のすべてのスナップショットにスナップショットのリセット機能がサポートされています。
ただし、スナップショットは直接の親ボリュームまたは作成元のスナップショットへのみリセットできます。
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