Users Guide
CMC は、設置されているすべてのサーバーとコンポーネントに必要なワット数を蓄えるエンクロージャの電力バジェットを維持します。
CMC は、電源をシャーシ内の CMC インフラストラクチャとブレードサーバーに割り当てます。CMC インフラストラクチャはファン、I/O モジュール、iKVM(存在する場合)などのシャーシ内のコンポー
ネントから構成されています。シャーシには、iDRAC 経由でシャーシと通信する最大 16 台のサーバーを搭載できます。詳細については、support.dell.com/manuals にある『iDRAC ユーザー
ズガイド』 を参照してください。
iDRAC は、ブレードサーバーの電源を投入する前に、CMC に電力エンベロープ要件を渡します。電力エンベロープは、サーバーを作動し続けるために必要な最大 / 最小電力要件から構成されていま
す。iDRAC の初期予測は、まずサーバーのコンポーネントを理解することにあります。動作が開始し、さらにコンポーネントが見つかると、iDRAC は初期電力要件を増加または減少します。
サーバーがエンクロージャで電源投入されると、iDRAC ソフトウェアは電源要件を推定し直して、電力エンベロープの変更を要求します。
CMC は要求された電力をブレードサーバーに供給し、割り当てられたワット量が使用可能なバジェットから減算されます。サーバーに電力要求量が与えられると、サーバーの iDRAC ソフトウェアは実
際の電力消費量を継続的に監視します。実際の電力要件に応じて、iDRAC 電力エンベロープは時間の経過に伴い変更される場合があります。iDRAC は、サーバーが割り当てられた電力を完全に消
費している場合にのみ、電力アップを要求します。
重い負荷の下では、サーバーのプロセッサのパフォーマンスは、電力消費がユーザーが設定したシステム入力電力の上限値の下に留まるように低下します。
PowerEdge M1000e エンクロージャは、ほとんどのサーバー設定で最高の性能を発揮するために十分な電力を供給できますが、利用可能なサーバー構成の多くでは、エンクロージャが供給可能
な最大電力を消費することはありません。データセンター施設でエンクロージャの電力プロビジョニングを設定するとき、M1000e を使うと、ユーザーはシステム入力電力上限を指定して、全体的なシ
ャーシの AC 電力が与えられたしきい値を超えないようにできます。CMC は最初に、ファン、IO モジュール、iKVM(存在する場合)、および CMC の稼動に十分な電力を確保します。この電力の割当
ては、シャーシ インフラに割当てた入力電力と呼びます。シャーシインフラストラクチャの後に、エンクロージャのサーバーの電源が入ります。システム入力電力の 上限値 を実際の消費量より下に
設定しようとすると、失敗します。
総電力バジェットをシステム入力電力上限の値より低くする必要がある場合は、CMC がサーバーの値を要求された最大電力より低い値に割り当てます。サーバーには個々のサーバーの優先度設
定に基づいて電力が割り当てられます。たとえば、優先度 1 のサーバーは最大電力を取得し、優先度 2 のサーバーは優先度 1 のサーバーの後に電力を取得する、というようになります。システム入
力の最大電力容量 とユーザーが設定した システム入力電力上限 によっては、優先度が低いサーバーが取得する電力量は、優先度 1 のサーバーよりも少ない場合があります。
シャーシにサーバーを追加するなどの構成上の変更を行う場合は、システム入力電力上限 を上げる必要があることがあります。モジュラエンクロージャに必要な電力は、温度条件が変わり、ファンを
高速で運転する必要がある場合、つまり電力消費量を増やす必要が発生した場合にも増加します。また、I/O モジュールや iKVM を追加する場合にも、モジュラエンクロージャの必要電力が増加しま
す。サーバーの電源が入っていない場合でも、管理コンソールへの電源供給を維持するため、サーバーはり極めて少ない量の電力を消費します。供給電力が十分ある場合のみ、追加サーバーへの電
源投入をモジュラエンクロージャ内で行うことができます。システム入力電力上限をいつでも最大 11637 ワットまで増量して、追加サーバーに電力を供給することができます。
電力の割り当てを削減するモジュラエンクロージャの変更項目は、次のとおりです。
l サーバーの電源オフ
l サーバー
l I/O モジュール
l iKVM の削除
l シャーシの電源オフ状態への移行
シャーシがオンの場合にもオフの場合にも、システム入力電力上限 を再設定できます。
サーバー スロットの電力プロパティの設定
CMC では、エンクロージャの 16 個のサーバー スロットのそれぞれの電力プロパティをユーザーが設定できます。プロパティ設定は、1(優先度高)~ 9(優先度低)です。この設定は、シャーシのスロ
ットに割り当てられ、スロットの優先度は、そのスロットに挿入されるサーバーに継承されます。CMC はスロットの優先度を使ってエンクロージャの優先度の高いサーバーに電力バジェットを割り当てま
す。
デフォルトのサーバースロット優先度設定に従って、電力はすべてのスロットに均等に割り当てられます。スロットの優先度を変更することで、システム管理者はどのサーバーに電力供給が必要か優先
順位を付けることができます。より重要なサーバー モジュールの優先度をデフォルトの 1 にしたまま、それほど重要でないサーバー モジュールの優先度を 2 以上に設定すると、優先度が 1 のサー
バー モジュールに先に電力が供給されます。優先度の高いサーバーには最大電力が割り当てられますが、優先度の低いサーバーには、最大の性能を発揮するために必要な電力が共有されない、ま
たは全く電力が供給されない場合があります。これは、設定された優先度の度合いとサーバーが必要とする電力量に依存します。
優先度の高いサーバーが電力を割り当てられる前に、システム管理者が優先度の低いサーバーの電力を手動でオンにすると、優先度の低いサーバーモジュールは、最初に電力を割り当てられます
が、優先度の高いサーバーに電力を割り当てるため、割当量は最少値に減少します。電力割り当てを消耗すると、CMCは、最低限の電力レベルになるまで、優先度の低いまたは同程度のサーバーか
ら電力を再要求します。
メモ: I/O モジュール、ファン、および iKVM(存在する場合)に最も高い優先度が指定されます。CMC は、優先度の高いモジュールまたはサーバーの電力ニーズを満たすためのみ、優先度
の低いデバイスから電力を再要求します。