Users Guide
全体的な電源正常性は クリティカルと表示されます。これは、システムが設定された冗長性ポリシーに従ってシステムを動作でき
ないためです。
メモ: CMC では、冗長性ポリシーをグリッド冗長性に変更、またはグリッド冗長性から他のポリシーに変更するときに、これ
らの条件の事前チェックを行いません。そのため、冗長性ポリシーの設定は、冗長性の喪失、または冗長性の回復という結果
を即時的に生じる場合があります。
PSU 障害発生後の電力管理
電力不足イベント(PSU 障害など)が発生すると、CMC はサーバーへの電力供給を削減します。電力の削減後、CMC はシャーシ
の電力需要を再評価します。電力要件が引き続き満たされない場合、CMC は優先順位の低いサーバーの電源をオフにします。ただ
し、この処理はお使いの CMC で設定した電源冗長性ポリシーに基づいて実行されます。冗長サーバーは、サーバーのパフォーマン
スに影響を与えることなく、電力の喪失に対応することができます。
電力必要量が電力バジェット内にとどまると同時に、優先順位の高いサーバーへの電力供給が徐々に回復されていきます。冗長性
ポリシーを設定するには、「電力バジェットと冗長性の設定」を参照してください。
PSU を取り外した後の電力の管理
CMC は、PSU または PSU AC ケーブルを取り外すと、電力の節約を開始する場合があります。CMC は、電力割り当てがシャーシ
内の残りの PSU によってサポートされるまで、優先順位の低いサーバーへの電力を削減します。複数の PSU を取り外す場合、CMC
は 2 番目の PSU が取り外された時に電力要件を再評価して、ファームウェアの対応を見極めます。電力要件が引き続き満たされな
い場合は、CMC は優先順位の低いサーバーの電源をオフにする場合があります。
制限
• CMC は、優先順位の高いサーバーの電源をオンにするための優先順位の低いサーバーの
自動
電源オフをサポートしませんが、
ユーザーが電源をオフにすることはできます。
• PSU 冗長性ポリシーの変更は、シャーシ内の PSU の数によって制限されます。PSU 冗長性設定は、「デフォルトの冗長性設定」
にリストされている 2 つの設定のどちらでも選択することができます。
新規サーバーの電源供給ポリシー
電源をオンにした新規サーバーがシャーシに利用できる電力を超えると、CMC は優先順位の低いサーバーに対する電力を減らす可
能性があります。これは、システム管理者が、サーバーにフル電力を割り当てるために必要な電力を下回る電力制限をシャーシに設
定している場合や、シャーシ内のすべてのサーバーが高い電力を必要とする状況で電力が不足する場合に発生します。優先順位の低
いサーバーに割り当てられた電力を削減しても充分な電力を解放できない場合は、新規サーバーの電源をオンにすることができませ
ん。
これは、システム管理者が、サーバーに対するフル電源割り当てよりも低い電力制限をシャーシに設定しているか、高電力を必要と
するサーバーに利用可能な電力が不十分である場合に発生します。
次の表は、前述したシナリオで新しいサーバーの電源をオンにしたときに CMC が行う処置を説明しています。
表 37. サーバーへの電源投入試行時の CMC の対応
ワーストケース電力が使用可能 CMC の対応 サーバーへの電源投入
有 節電は不要 許可
無 節電を実施:
• 新しいサーバーに必要な電力が使用可能
• 新しいサーバーに必要な電力が使用不可
許可
拒否
PSU の機能が停止すると、非重要な正常性状況が生じ、PSU 障害イベントが生成されます。PSU を取り外すと、PSU 取り外しイ
ベントが生成されます。
どちらか一方のイベントによって冗長性が損失された場合は、電力割り当てに基づいて、
冗長性の喪失
イベントが生成されます。
その後の電力容量またはユーザーの電力容量がサーバーの割り当てよりも大きい場合、サーバーのパフォーマンスが劣化する、また
は極端な場合には、サーバーの電源がオフになる可能性があります。これらの状態はどちらも優先順位の逆順に行われます。つま
り、優先順位の低いサーバーから電源がオフになります。
次の表では、さまざまな PSU 冗長構成における PSU の電源オフまたは PSU の取り外しに対するファームウェアの対応を示しま
す。
166 電力の管理と監視