Users Guide
残りの PSU を最大効率で動作させるには、次の電源冗長性モードを使用します。
• DPSE を使用した PSU 冗長性 モードは電力効率性を提供します。少なくとも 2 台の PSU がオンラインであり、そのうち 1 台の
PSU が構成への電力供給に必要とされ、もう 1 台は PSU 故障時における冗長性を提供します。PSU 冗長性モードは、1 台の PSU
障害に対する保護を提供しますが、AC グリッド喪失発生時での保護は提供しません。
• DPSE を使用した グリッド冗長性 モードでは、少なくとも 2 台の PSU(各電源グリッドごとに 1 台)がアクティブです。グリ
ッド冗長性は、部分的に載荷されたモジュラーエンクロージャ構成に対する効率性と最大可用性の平衡も保ちます。
• DPSE を無効化すると、4 台 の PSU すべてがアクティブになって負荷を共有することから、効率性が最も低くなり、各電源装
置の活用率が減少する結果となります。
DPSE は、上記で説明した 2 つの電源装置冗長設定(電源装置冗長性 および グリッド冗長性)の両方に有効化することが可能で
す。
メモ: 2 台の PSU 構成モードでは、サーバーの負荷によっては、いずれの PSU もスタンバイモードに移行できない場合があり
ます。
• 電源装置冗長性 設定では、エンクロージャは、エンクロージャへの電源供給に必要な PSU に加え、常にもう 1 台の PSU の電源
をオンにして オンライン とマークしておきます。電力使用率が監視され、システム全体の負荷に応じて 1 台の PSU をスタンバ
イ状況に移行することが可能です。4 台の PSU 構成では、少なくとも 2 台の PSU の電源が常にオンになります。
電源装置冗長性 設定のエンクロージャでは追加の PSU が常に起動状態であるため、オンライン PSU 1 台の損失に対応可能であ
り、取り付けられているサーバーモジュールに対して十分な電力供給を維持できます。オンライン PSU が失われると、スタンバ
イ PSU がオンラインになります。複数の PSU に障害が同時に発生すると、スタンバイ PSU がオンになるまでの間、一部のサ
ーバーモジュールに対して電力が失われる可能性があります。
• AC 冗長性 設定では、シャーシに電源が投入されるとすべての PSU が起動されます。電力使用率が監視され、システム構成と
電力使用率に応じて、PSU が スタンバイ 状況に移行されます。グリッド内の PSU のオンライン 状態は、他方のグリッドの状
態を反映するため、エンクロージャは、エンクロージャへの電力を中断することなく、1 つのグリッド全体の電力喪失に耐える
ことができます。
グリッド冗長性 設定における電力需要が上昇により、スタンバイ 状態の PSU が起動されます。これにより、デュアルグリッ
ド冗長性に必要なミラー設定が維持されます。
メモ: DPSE が有効になっている状況では、電力需要が 2 つの電源冗長性ポリシーモードの両方で上昇した場合、電力を回
収するためにスタンバイ PSU が オンライン になります。
デフォルトの冗長性設定
次の表に示されているように、シャーシのデフォルトの冗長性設定は、シャーシに取り付けられている PSU の台数によって異なり
ます。
表 36. デフォルトの冗長性設定
PSU 構成 デフォルトの冗長性ポリシー デフォルトの動的 PSU 電源供給設定
2 台の PSU DC 冗長性 無効
4 台の PSU DC 冗長性 無効
グリッド冗長性
4 台の PSU による グリッド冗長性モードでは、4 台すべての PSU がアクティブです。2 台の PSU を 1 つの AC 電源グリッドに接続
し、残り 2 台の PSU をもう 1 つの AC 電源グリッドに接続する必要があります。
注意: システムエラーを回避し、グリッド冗長性を効果的に機能させるには、均衡のとれた台数の PSU 一式が個別の AC グリ
ッドに適切にケーブル配線されている必要があります。
一方の AC グリッドが故障した場合、機能している AC グリッド上にある PSU がサーバーやインフラストラクチャに中断を生じる
ことなく電力供給を引き継ぎます。
注意: グリッド冗長性モードでは、均衡のとれた台数の PSU 一式が必要です(各グリッドに少なくとも 1 台の PSU)。この条
件を満たさない場合、グリッド冗長性は不可能です。
162 電力の管理と監視