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iDRAC は、サーバーへの電源投入前に CMC にパワーエンベロープ要件を提示します。パワーエンベロープ
には、サーバーの動作を維持するために必要な最大および最低電力要件が含まれています。
iDRAC の初期推
定値は、サーバー内のコンポーネントについての当初の理解に基づいています。動作が開始され、コンポー
ネントがさらに検出されると、iDRAC は初期電力要件を増加または削減する場合があります。
エンクロージャ内でサーバーの電源がオンになると、iDRAC ソフトウェアは電力要件を推定し直して、パワ
ーエンベロープの次回変更を要求します。
CMC は要求された電力をサーバーに供給し、割り当てられたワット数は利用可能バジェットから差し引かれ
ます。サーバーの電力要求が認められた後、サーバーの iDRAC ソフトウェアが実際の電力消費を継続的に監
視します。実際の電力要件に基づいて、iDRAC パワーエンベロープは時間の経過と共に変化する場合があり
ます。サーバーが割り当てられた電力を完全に使用していると、
iDRAC が電力増加を要求します。
高負荷下では、電力消費がユーザー設定のシステム入力電力上限未満に留まることを確実にするため、サー
バー上のプロセッサのパフォーマンスが劣化する場合があります。
PowerEdge VRTX エンクロージャは、ほとんどのサーバー構成のピークパフォーマンスに十分な電力を供給
できますが、使用できる多くのサーバー構成では、エンクロージャが供給できる最大電力を消費しません。
データセンターでのエンクロージャ用電力の割り当てに役立てるため、PowerEdge VRTX では、シャーシ全
体の
AC 電力利用が特定のしきい値内に留まることを確実にするシステム入力電力上限を指定することがで
きます。CMC はまず、ファン、I/O モジュール、ストレージアダプタ、物理ディスクドライブ、メイン基
板、および CMC そのものを動作させるために十分な電力を確保します。この電力割り当てはシャーシイン
フラストラクチャに割り当てられた入力電力と呼ばれます。シャーシインフラストラクチャの後、エンクロ
ージャ内のサーバーの電源がオンになります。システム入力電力上限は、「電力負荷」より低く設定すること
はできません。電力負荷とは、インフラストラクチャに割り当てられた電力と電源の入ったサーバーに割り
当てられた最小電力の合計です。
メモ: 電力上限機能を使用するには、Enterprise ライセンスが必要です。
総電力バジェットを
システム入力電力上限
以下に保つために必要な場合、CMC はサーバーに対して要求され
た最大電力よりも少ない値を割り当てます。サーバーには
サーバー優先順位
設定に基づいて電力が割り当て
られるので、優先順位の高いサーバーには最大電力が提供され、優先度 2 のサーバーは、優先度 1 のサーバ
ーの後に電力が割り当てられることになります。優先順位の低いサーバーは、
システム入力最大電力容量
ユーザー設定の
システム入力電力上限
設定に基づいて優先度 1 のサーバーより少ない電力が提供される場
合があります。
シャーシ内における追加サーバー、共有 HDDPCIe カードなどの構成の変化には、
システム入力電力上限
の引き上げが必要な場合があります。温度状態が変化し、ファンをより高速で稼働させる必要がある時にも、
追加電力を消費する原因となることから、モジュラーエンクロージャでの電力需要が増加します。I/O モジ
ュール、ストレージアダプタ、PCIe カード、物理ディスク、メイン基板の装着や、PSU の台数、タイプ、
成によっても、モジュラーエンクロージャの電力需要が増加します。管理コントローラを起動させておくた
めにサーバーの電源が切られる時でさえも、サーバーによってごく少量の電力が消費されます。
追加サーバーは、十分な電力が使用可能である場合にのみ、モジュラーエンクロージャ内での電源投入が可
能です。
システム入力電力上限
は、追加サーバーへの電源投入を行うため、最大値の 5000 ワットまで常時
増加させることができます。
電力割り当てを削減するモジュラーエンクロージャの変化には、次が含まれます。
サーバーの電源オフ
I/O モジュールの電源オフ
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