Users Guide
CMC では、エンクロージャの 16 個のサーバー スロットのそれぞれの電力プロパティをユーザーが設定できます。プロパティ設定は 1 (優先度高) ~ 9 (優先度低)です。この設定は、シャーシのス
ロットに割り当てられ、スロットの優先度は、そのスロットに装着されるサーバーに継承されます。CMC はスロットの優先度を使ってエンクロージャの優先度の高いサーバーに電力バジェットを割り当て
ます。
デフォルトのサーバースロット優先度設定に従って、電力はすべてのスロットに均等に割り当てられます。スロットの優先度を変更することで、管理者がどのサーバーに電力供給が必要か優先順位を付
けることができます。より重要なサーバー モジュールの優先度をデフォルトの 1 にしたまま、それほど重要でないサーバー モジュールの優先度を 2 以上に設定すると、優先度が 1 のサーバー モジ
ュールに先に電力が供給されます。優先度の高いサーバーには最大電力が割り当てられますが、優先度の低いサーバーには、最大の性能を発揮するために必要な電力が共有されない、または全く電
力が供給されない場合があります。これは、設定された優先度の度合いとサーバーが必要とする電力量に依存します。
システム管理者が、手動で優先度の高いサーバーより先に優先度の低いサーバーモジュールの電源を入れると、優先度の低いサーバーモジュールがその電源割り当てを最小まで下げられる最初の
モジュールになります。使用可能な電力割り当てを使い果たすと、CMC は優先度の低いまたは同じサーバーの電力を最小電力レベルまで下げることで利用可能になった電力量を再利用します。
電源装置の動的制御
DPSE(動的電源供給)モードは、デフォルトで無効に設定されています。DPSE は、シャーシの電源を入れるために必要最小限の PSU のみを使用することで節電する結果、オンライン PSU の効率的
な利用が実現されます。こうすることで、PSU の寿命が長くなり、発熱を減らし、より効率の良い電力レベルで運転電力を供給することで節電します。
CMC は、エンクロージャ全体の電力割り当てを監視し、不要な PSU をスタンバイ状態にすることで、シャーシの総合電力割り当てを少数の PSU でまかないます。オンライン PSU の利用率が高いほ
どより効率的であるため、効率の向上につながると同時に、スタンバイ PSU の寿命も延長できます。
アクティブな PSU の台数が少ないほどシステムの運用効率が上がるので、以下が可能になります。
l DPSE の 冗長性なし モードでは、最小台数の PSU のみがオンラインであるため、高い電力効率が得られます。不要な PSU はスタンバイモードになります。
l DPSE の PSU 冗長性 モードでも、電力効率を得ることができます。構成への電力供給用に 1 台と PSU の故障に備えて冗長性を提供するために 1 台の、最低 2 台の PSU をアクティブに
します。PSU 冗長性 モードでは 1 台の PSU の故障に対して保護を提供しますが、AC グリッドを喪失した場合は保護されません。
l DPSE の AC 冗長性 モードは、6 台のうち最低 2 台をアクティブ(各電力グリッドに 1 台ずつ)にして、部分的に負荷のかかるモジュラーエンクロージャ構成の効率と最大電力供給のバランス
を保ちます。
l DPSE を無効にすると、6 台すべてを稼働して付加を分散させるため効率性が下がるため、各電源装置の利用率も低下します。
DPSE は、ここで説明された 3 つのすべての電源装置冗長性構成(冗長性なし、電源装置冗長性、AC の冗長性)を有効にできます。
l DPSE の 冗長性なし 構成では、M1000e は スタンバイ 状態で最大 5 台の電源ユニットを保持できます。PSU 6 台の構成では、一部の PSU ユニットを使用しないでスタンバイ状態にして
おくことで、電力効率を向上させます。この構成でオンライン PSU を取り外したり、故障が発生したりすると、スタンドバイ 状態の PSU を オンライン に切り替えます。ただし、スタンドバイ PSU
をアクティブにするために最大 2 秒間かかるため、サーバーモジュールが 冗長性なし 構成に移行する間、電力が供給されない場合があります。
l 電源装置冗長性 構成では、エンクロージャは電源投入に必要な PSU 以外に、追加 PSU の電源を常にオンに保ち、オンライン のマークを付けます。電源使用量を監視し、システム全体の負
荷に応じて、最大 4 台の PSU を スタンバイ 状態に移行できます。PSU 6 台の構成では、最低 2 台の電源ユニットが常にオンに保たれます。
電源装置冗長性 構成のエンクロージャでは、常に 1 台の余剰 PSU がオンになっているため、オンライン PSU が 1 台故障しても、インストールされているサーバーモジュールに十分に電源を
供給することができます。オンライン PSU に故障が発生すると、スタンドバイ PSU がオンラインになります。複数の PSU が同時に故障すると、スタンドバイ PSU を立ち上げている間、いくつか
のサーバー モジュールに電源が供給されない場合があります。
l AC 冗長性 構成では、シャーシの電源投入時にすべての電源装置がオンになります。電力使用量が監視され、システム構成と電力使用量に余裕がある場合は、各 AC グリッドから 1 台ず
つ、2 台 1 組の PSU が スタンバイ 状態に移行されます(1+1 冗長性レベルを除く)。グリッドにある PSU の オンライン 状態はミラーしているため、エンクロージャは、グリッドへの電力を喪失
してもエンクロージャへの電力に支障なく電力を維持することができます。
AC 冗長性 構成で電力要求が高まると、PSU をペア(各 AC グリッドから 1 台ずつ)で スタンドバイ 状態から起動します。こうして、デュアルグリッド冗長性に必要なミラー構成を維持します。
冗長性ポリシー
冗長性ポリシーは、CMC がシャーシへの電力供給をどのように管理するか決定付ける一連の設定可能なプロパティです。以下の冗長性ポリシーは、PSU の動的制御の有無にかかわらず設定可能で
メモ: I/O モジュール、ファン、および iKVM (存在する場合) に最も高い優先度が指定されます。CMC が電力を再利用するのは、優先度の高いモジュールまたはサーバーの電力ニーズを
満たすためのみです。
メモ: このの PSU 3 台の構成では、サーバー負荷によって PSU が スタンドバイ に移行できないことがあります。
メモ: DPSE を有効にすると、電力要求が 3 つのすべての電源冗長性ポリシーモードで高まると、スタンバイ PSU が オンライン になり電力を再利用します。