Users Guide
図 8-6 PSU 6 台構成のシャーシ
CMC は、インストールされているすべてのサーバーとコンポーネントに必要なワット数を蓄えるエンクロージャの電力バジェットを維持します。
CMC は、電源をシャーシ内の CMC インフラストラクチャとブレードサーバーに割り当てます。CMC インフラストラクチャはファン、I/O モジュール、iKVM (存在する場合) などのシャーシ内のコンポ
ーネントから構成されています。シャーシには、iDRAC 経由でシャーシと通信する最大 16 台のブレードサーバーを搭載できます。詳細については、『iDRAC ユーザーズガイド』
(support.dell.com/manuals) を参照してください。
iDRAC は、ブレードサーバーの電源を投入する前に、CMC に電力エンベロープ要件を渡します。電力エンベロープは、サーバーを作動し続けることができる最大/最小電力要件から構成されていま
す。iDRAC の初期想定は、ブレードサーバー内のすべてのコンポーネントが最大電力量を消費し、実際のブレード条件よりも電力量が高い場合が多い、という最悪のケースに基づいています。
サーバーがエンクロージャで電源投入されると、iDRAC ソフトウェアは電源要件を推定し直して、電力エンベロープの変更を要求します(通常は削減)。
CMC は要求された電力をブレードサーバーに供給し、割り当てられたワット量が使用可能なバジェットから減算されます。サーバーに電力要求量が与えられると、サーバーの iDRAC ソフトウェアは実
際の電力消費量を継続的に監視します。実際の電力要件に応じて、iDRAC 電力エンベロープは時間の経過に伴い変更される場合があります。iDRAC は、サーバーが割り当てられた電力を完全に消
費している場合にのみ、電力アップを要求します。
ただし、負荷が大きい場合は、電力消費量をユーザーの設定したシステム入力電力の上限より低い状態に保つため、サーバーのパフォーマンスを低下させる場合があります。
PowerEdge M1000e エンクロージャは、ほとんどのサーバー設定で最高の性能を発揮するために十分な電力を供給できますが、利用可能なサーバー構成の多くでは、エンクロージャが供給可能
な最大電力を消費することはありません。データセンター施設でエンクロージャの電力プロビジョニングを設定するとき、M1000e を使うと、ユーザーはシステム入力電力上限を指定して、全体的なシャ
ーシの AC 電力が与えられたしきい値を超えないようにできます。CMC は最初に、ファン、IO モジュール、iKVM(装着されている場合)、および CMC の実行に十分な電力を確保します。この電力の
割当ては、シャーシ インフラに割当てた入力電力と呼びます。エンクロージャ内のサーバーに電源を投入した後は、サーバーの電源を切ることを必要とするような システム入力電力上限 を下げる試
みは失敗します。
総電力バジェットをシステム入力電力上限の値より低くする必要がある場合は、CMC がサーバーの値を要求された最大電力より低い値に割り当てます。サーバーには個々のサーバーの優先度設定
に基づいて電力が割り当てられます。たとえば、優先度 1 のサーバーは最大電力を取得し、優先度 2 のサーバーは優先度 1 のサーバーの後に電力を取得する、というようになります。システム入
力の最大電力容量 とユーザーが設定した システム入力電力上限 によっては、優先度が低いサーバーが取得する電力量は、優先度 1 のサーバーよりも少ない場合があります。
シャーシにサーバーを追加するなどの構成上の変更を行う場合は、システム入力電力上限 を上げる必要があることがあります。モジュラーエンクロージャに必要な電力は、温度条件が変わり、ファンを
高速で運転する必要がある場合、つまり電力消費量を増やす必要が発生した場合にも増加します。また、I/O モジュールや iKVM を追加する場合にも、モジュラーエンクロージャの必要電力が増加し
ます。サーバーの電源が入っていない場合でも、管理コンソールへの電源供給を維持するため、サーバーはり極めて少ない量の電力を消費します。供給電力が十分ある場合のみ、追加サーバーへの
電源投入をモジュラーエンクロージャ内で行うことができます。システム入力電力上限をいつでも最大 7928 ワットまで増量して、追加サーバーに電力を供給することができます。
電力割り当てを削減するモジュラーエンクロージャ内の変更には、サーバーの電源オフ、サーバー、I/O モジュール、または iKVM の取り外し、シャーシの電源オフ状態への移行などがあります。シャ
ーシがオンの場合にもオフの場合にも、システム入力電力上限 を再設定できます。
サーバー スロットの電力プロパティの設定