Users Guide
シャーシと新しいサーバーを含むすべてのサーバーをフルパワーで稼動させるのに必要な最大持続電力がワーストケース電力必要量です。 その電力量が使用可能であればどのサーバーへの電力も
低減されず、新しいサーバーの起動が可能になります。
ワーストケース電力必要量が使用可能でない場合は、節電モードがアクティブになります。 つまり新しいサーバーを起動するのに十分な電力が得られるまで、優先順位の低いサーバーへの電力が低
減されます。
l 既存のサーバーへの電力を低減させることで十分な電力が解放されない場合は、新しいサーバーを起動できません。
l 既存のサーバーへの電力を低減させることで十分な電力が解放される場合は、解放された電力が新しいサーバーに割り当てられ、そのサーバーの起動が可能になります。
表7-3 は、上記シナリオにて、新しいサーバーに電源投入されたときに行われた操作を説明しています。
表 7-3. サーバーの電源投入が試行されたときの CMC の対応
表7-4 では、さまざまな PSU 冗長構成における PSU の電源切断または PSU の取り外しに対するファームウェアの対応を示します。
表 7-4. PSU の障害または取り外しによるシャーシへの影響
冗長性なしポリシーでの PSU の電源切断と取り外し
PSU の電源を切断または PSU を正しい手順で取り外した場合、CMC は節電を開始します。 CMC は、電力消費量がシャーシ内の残りの PSU でまかなうことができるようになるまで優先順位の低い
サーバーへの電力を低減させます。 複数台の PSU の電源を切ったり、取り外した場合、CMC は 2 番目の PSU が取り外されたときに電力必要量を再計算して、ファームウェアの対応を決定します。
制限値
l CMC は、優先順位の高いサーバーに電源投入するために優先順位の低いサーバーの電源を自動的に切ることはありませんが、ユーザーが電源を切ることはできます。
l PSU 冗長性ポリシーの変更は、シャーシ内の PSU の台数によって制限されます。 M1000e シャーシは、PSU 3 台または 6 台の構成で出荷されます。 冗長性ポリシー に記載されている
3 つの PSU 冗長構成のうちいずれを選択することもできます。. ただし、AC 冗長性など一部の冗長性ポリシーは、PSU が 6 台(シャーシあたり使用可能な最大数)より少ないシャーシでは使
用できません。
電源の構成と管理
ウェブベースまたは RACADM インタフェースを使って CMC 上の電源制御の管理と設定を行うことができます。 詳細は、以下のとおりです。
l シャーシ、サーバー、PSU の電力バジェット状態の表示
l シャーシとそのシャーシのすべてのコンポーネント(シャーシ、サーバー、IOM、iKVM、プライマリとスタンバイ CMC 、PSU)の電力バジェットと冗長性の設定
l シャーシの電源制御操作(電源投入、電源切断、システムリセット、パワーサイクル)の実行
PSU の正常性状態の表示
ワーストケース電力が
使用可能
CMC の対応
サーバー電源
オン
必要
節電は不要
許可
不要
節電を実施
l 新しいサーバーに必要な電力が使用可能
許可
l 新しいサーバーに必要な電力が使用不可
不許可
PSU 構
成
PSU の動的
制御
ファームウェアの対応
AC 冗長性
無効
節電を実施せず。 ユーザーに AC 冗長性の喪失を警告。
電源装置の冗
長性
無効
節電を実施せず。 ユーザーに電源装置の冗長性の喪失を警告。
冗長性なし
無効
優先順位の低いサーバーへの電力を低減。
AC 冗長性
有効
節電を実施せず。 シャーシ内のすべての PSU が使用されて電源投入されている場合は、ユーザーに AC 冗長性の喪失を警告。 PSU 電源が切断された場
合、スタンバイモードの PSU(あれば)に電源が投入され、電力バジェットの喪失を補填。
電源装置の冗
長性
有効
節電を実施せず。 シャーシ内のすべての PSU が使用されて電源投入されている場合は、ユーザーに電源装置の冗長性の喪失を警告。 PSU 電源が切断され
た場合、スタンバイモードの PSU(あれば)に電源が投入され、電力バジェットの喪失を補填。
冗長性なし
有効
優先順位の低いサーバーへの電力を低減。