Users Guide
NetXtreme ユーザーガイド Broadcom Gigabit Ethernet のチーム化サービス
マニュアル 2CS57XX-CDUM513-R はじめに ページ 25
Smart Load Balancing は、レイヤ 3/ レイヤ 4 IP アドレスと TCP/UDP ポート番号に基づいて、伝送と受信の両方のロー
ド バランシングを有効にします。すなわち、ロード バランシングはバイトまたはフレーム レベルではなく、TCP/UDP
セッション ベースで実行されます。この方法は、同じソケットの通信に属するフレームを順序正しく配信し続けるために
必要です。ロード バランシングは 2 ~ 8 個のポートでサポートされます。これらのポートには、アドイン アダプタや LAN
on Motherboard (LOM) デバイスの組み合わせが含まれます。伝送のロード バランシングは、発信元および宛先の IP アド
レスと TCP/UDP ポート番号を使用してハッシュ テーブルを作成することにより実現されます。発信元および宛先の IP
アドレスと TCP/UDP ポート番号の組み合わせが同じ場合には、通常同じハッシュ インデックスが作成されるため、チー
ム内の同じポートを指し示すことになります。指定されたソケットのすべてのフレームを搬送するようにポートが選択さ
れている場合、チーム MAC アドレスではなく、物理アダプタの一意の MAC アドレスがフレームに含められます。これ
は、IEEE 802.3 規格に準拠するために必要です。2 つのアダプタで同じ MAC アドレスを使用して伝送した場合、スイッ
チで処理できない MAC アドレスの重複状態が発生します。
受信のロード バランシングは、各クライアントのユニキャスト アドレスを ARP 要求の宛先アドレスとして使用して
(Directed ARP とも呼ばれる )、クライアント別に無償 ARP を送信することにより、中間ドライバで実現されます。これ
はクライアント ロード バランシングと見なされ、トラフィック ロード バランシングとは見なされません。中間ドライバ
は、SLB チーム内の物理アダプタ間で深刻なロード インバランスを検出すると、受信フレームを再分配するために G-ARP
を生成します。中間ドライバ (BASP) は ARP 要求に応答しません。ソフトウェア プロトコル
スタックが必要な ARP 応
答を提供するだけです。受信のロード バランシングが、チーム インターフェイスでシステムに接続しているクライアン
トの数と相関関係にあることを、理解することが重要です。
SLB の受信のロード バランシングは、チーム内の物理ポート全体でクライアント マシンの受信トラフィックのロード バ
ランスを行おうとします。修正された G-ARP を使用して、送信者の物理アドレスとプロトコル アドレスに含まれるチー
ム IP アドレスの別の MAC アドレスを通知します。この G-ARP は、対象の物理アドレスとプロトコル アドレスのそれぞ
れに、クライアント マシンの MAC アドレスと IP アドレスを使用するユニキャストです。これにより、対象クライアン
トはその ARP キャッシュを、チーム IP アドレスへの新しい MAC アドレス マップで更新します。G-ARP はブロードキャ
ストではありません。なぜなら、すべてのクライアントが同じポートにそのトラフィックを送信することになるからです。
結果として、クライアント ロード バランシングで得られる利点はなくなり、フレーム配信の順序が狂う可能性がありま
す。この受信のロード バランシングのスキームは、すべてのクライアントとチーム化されたシステムが同じサブネットま
たはブロードキャスト ドメインにある限り作用します。
クライアントとシステムが別のサブネットにあり、受信トラフィックがルーターを越えなければならない場合、システム
に向かう受信トラフィックはロード バランスされません。中間ドライバで IP フローを搬送するよう選択された物理アダ
プタは、すべてのトラフィックを搬送します。ルーターはチーム IP アドレスにフレームを送信するときに、ARP 要求を
ブロードキャストします (ARP キャッシュにない場合 )。サーバー ソフトウェア スタックはチーム MAC アドレスを使用
して ARP 応答を生成しますが、中間ドライバがその ARP 応答を修正して特定の物理アダプタに送信し、そのセッション
のフローを確立します。
これは、ARP がルータブル プロトコルではないためです。ARP には IP ヘッダがありません。そのため、ルーターまたは
デフォルト
ゲートウェイには送信されません。ARP はローカル サブネット プロトコルに過ぎません。さらに、G-ARP は
ブロードキャスト パケットではないため、ルーターはそれを処理せず、それ自身の ARP キャッシュも更新しません。
ルーターが別のネットワーク デバイス向けの ARP を処理するのは、代理 ARP が有効になっていて、ホストにデフォルト
ゲートウェイがない場合のみです。このような状態は非常にまれであり、大部分のアプリケーションにはお勧めできませ
ん。
ルーターを経由する伝送トラフィックはロード バランスされます。これは、伝送のロード バランシングが発信元および
宛先の IP アドレスと TCP/UDP ポート番号に基づいているためです。ルーターでは発信元と宛先の IP アドレスが変更さ
れないため、ロード バランシングのアルゴリズムは意図したとおりに動作します。
HSRP (Hot Standby Routing Protocol) のルーターの設定では、アダプタ チーム内の受信のロード バランシングは発生し
ません。一般的に HSRP では、2 つのルーターが 1 つのルータとして動作して、仮想 IP アドレスと仮想 MAC アドレス
を通知します。1 つの物理ルーターがアクティブ インターフェイスになっているときには、もう片方がスタンバイになり