Users Guide
NetXtreme ユーザーガイド Broadcom Gigabit Ethernet のチーム化サービス
マニュアル 2CS57XX-CDUM513-R はじめに ページ 23
チーム化の概念
• ネットワーク アドレス指定
• チーム化とネットワーク アドレス
• チーム タイプの説明
ネットワーク アドレス指定
チーム化の動作方法を理解するには、イーサネット ネットワークにおけるノード通信の動作方法を理解することが重要で
す。本書では、読者に IP およびイーサネット ネットワーク通信の基礎知識があることを前提としています。以下では、
イーサネット ネットワークで使用されるネットワーク アドレス指定の概念について、高度な概要を説明します。
コンピュータ システムのようなホスト プラットフォームのイーサネット ネットワーク インターフェイスは、どれもグ
ローバルに一意なレイヤ 2 アドレスを 1 つと、グローバルに一意なレイヤ 3 アドレスを少なくとも 1 つ必要とします。
OSI モデルで定義されているように、レイヤ 2 はデータ リンク レイヤで、レイヤ 3 はネットワーク レイヤです。レイヤ
2 アドレスはハードウェアに割り当てられ、多くの場合 MAC アドレスまたは物理アドレスと呼ばれます。このアドレス
は工場出荷時にあらかじめプログラムされ、ネットワーク インターフェイス カードの NVRAM、または内蔵 LAN インター
フェイス用のシステム マザーボードの NVRAM に格納されます。レイヤ 3 アドレスはプロトコル アドレスまたは論理ア
ドレスと呼ばれ、ソフトウェア スタックに割り当てられます。IP はレイヤ 3 プロトコルの 1 つです。また、レイヤ 4 ( ト
ランスポート レイヤ ) では Telnet や FTP などのネットワーク上位プロトコルごとにポート番号を使用します。これらの
ポート番号は、アプリケーション全体のトラフィック フローを識別するのに使用されます。TCP または UDP などのレイ
ヤ 4 プロトコルは、今日のネットワークで最も一般的に使用されています。IP アドレスと TCP
ポート番号の組み合わせ
は、ソケットと呼ばれます。
イーサネット デバイスは、IP アドレスではなく MAC アドレスを使用して他のイーサネット デバイスと通信します。た
だし、大部分のアプリケーションは、WINS や DNS などのネーミング サービスによって IP アドレスに変換されるホスト
名で動作します。そのため、IP アドレスに割り当てられている MAC アドレスの識別方法が必要です。IP ネットワークの
ARP (Address Resolution Protocol) はこのメカニズムを提供します。ユニキャスト アドレスは単一の MAC アドレスまた
は単一の IP アドレスに対応します。ブロードキャスト アドレスは、ネットワーク上のすべてのデバイスに送信されます。
チーム化とネットワーク アドレス
アダプタのチームは単一の仮想ネットワーク インターフェイスとして機能し、チーム化されていないアダプタのネット
ワーク デバイスと同じように見えます。仮想ネットワーク アダプタは、単一のレイヤ 2 アドレスと 1 つまたは複数のレ
イヤ 3 アドレスを通知します。チーム化ドライバは、初期化の際に、チームを構成する物理アダプタのいずれかから、チー
ム MAC アドレスとなる MAC アドレスを 1 つ選択します。一般的にこのアドレスは、ドライバが最初に初期化するアダ
プタから取得されます。チームを管理しているシステムは、ARP 要求を受信すると、チーム内の物理アダプタの中から
MAC アドレスを 1 つ選択して、ARP 応答のソース MAC アドレスとして使用します。Windows オペレーティング システ
ムでは、IPCONFIG /all コマンドは個々の物理アダプタではなく仮想アダプタの IP アドレスと MAC アドレスを表示しま
す。プロトコル IP アドレスは、個々の物理アダプタではなく仮想ネットワーク インターフェイスに割り当てられます。
スイッチ独立型のチーム化モードの場合、データ伝送時には、仮想アダプタを構成するすべての物理アダプタが、物理ア
ダプタに割り当てられている一意の MAC アドレスを使用します。すなわち、チーム内の各物理アダプタで送信されるフ
レームは、一意の MAC アドレスを使用して IEEE に準拠する必要があります。ARP キャッシュ エントリが、受信フレー
ムからではなく、ARP 要求および ARP 応答からのみ情報を得ることに注意することが重要です。