Owners Manual
Broadcom チーム化サービス:Broadcom NetXtreme IIィ ネットワーク アダプタ ユーザー ガイド
file:///C¦/Users/Nalina_N_S/Documents/NetXtremeII/Japanese/teamsvcs.htm[9/5/2014 3:58:29 PM]
クライアントのバックアップを実行するときに、テープ バックアップ サーバーでアダプタの最適なパフォーマンスを引き出し、高い信頼性で
ネットワークの帯域幅を使用するには、ネットワーク インフラストラクチャでロード バランシングやフォルト トレランスなど、チーム化を実
装する必要があります。データ センターは、フォルト トレランス対応ソリューションの一部として、冗長スイッチ、リンク集約、およびトラ
ンキングを組み込みます。チーム化されたデバイス ドライバは、チーム化されたインターフェイスとフェイルオーバー パスをデータが流れる
方法を制御しますが、この処理はテープ バックアップ アプリケーション側からは見えません。また、ネットワークを通じて、リモート システ
ムをバックアップするときに、テープ バックアップ プロセスがこの処理の干渉を受けることもありません。図 10では、Broadcom のチーム
化環境でテープ バックアップをデモンストレーションするネットワーク トポロジーであり、Smart Load Balancing がチーム化したアダプタ
の間で、どのようにテープ バックアップ データのロード バランスを行うかを示します。
クライアントサーバーがバックアップ サーバーへのデータ送信に使用できるパスは 4 つありますが、データ転送時にはこれらのパスの 1 つだ
けが指定されます。バックアップ サーバーへのデータ送信にクライアントサーバー Red が使用できるパスは以下のとおりです。
パスの例:クライアントサーバー Red は、アダプタ A、スイッチ 1、バックアップ サーバー アダプタ A を通じてデータを送信します。
指定されたパスは、以下の 2 つの要素によって決まります。
クライアントサーバー ARP キャッシュ。これは、バックアップ サーバーの MAC アドレスを指定します。これは、Broadcom 中間ド
ライバのインバウンド ロード バランシング アルゴリズムによって決定されます。
クライアントサーバー Red の物理アダプタ インターフェイスは、データ転送に使用されます。Broadcom 中間ドライバのアウトバウ
ンド ロード バランシング アルゴリズムがこれを決定します (アウトバウンド トラフィック フローとインバウンド トラフィック フ
ロー (SLB のみ)を参照)。
バックアップ サーバーのチーム化インターフェイスは、クライアントサーバー Red への転送に G-ARP (gratuitous address resolution
protocol) を使用します。そして今後は、クライアント サーバーの ARP キャッシュがバックアップ サーバーの MAC アドレスで更新されるよ
うになります。チーム化インターフェイス内のロード バランシング メカニズムによって、G-ARP に組み込まれる MAC アドレスが決定されま
す。選択された MAC アドレスは、基本的にクライアント サーバーがデータの転送先として使用するアドレスです。クライアントサーバー
Red では、SLB チーム化アルゴリズムによって、2 つのアダプタ インターフェイスから、実際にデータ転送に使用するインターフェイスが決
定されます。この例では、クライアントサーバー Red からのデータが、バックアップ サーバーのアダプタ A インターフェイスで受信されま
す。チーム化したインターフェイスにさらに負担がかかったときに SLB が機能する仕組みをデモンストレーションするため、バックアップ
サーバーが第 2 のバックアップ処理を開始するシナリオを考えてみます。具体的には、クライアントサーバー Red へのバックアップに加え
て、クライアントサーバー Blue に対して第 2 のバックアップを開始します。バックアップ サーバーへのデータ送信にクライアントサーバー
Blue が使用するルートは、バックアップ サーバーの MAC アドレスを指定する ARP キャッシュによって決定されます。バックアップ サー
バーのアダプタ A では、すでにクライアントサーバー Red のバックアップ処理で負担がかかっているため、バックアップ サーバーは、SLB
アルゴリズムを呼び出します。そして、ARP キャッシュをバックアップ サーバーのアダプタ B の MAC アドレスに変更するように、クライア
ントサーバー Blue に (G-ARP を通じて) 通知メッセージを送信します。クライアントサーバー Blue は、データを転送する必要があると
き、SLB アルゴリズムによって決定されたいずれかのアダプタ インターフェイスを使用します。重要な点は、クライアントサーバー Blue か
らのデータが、バックアップ サーバーのアダプタ A インターフェイスではなく、アダプタ B インターフェイスで受信されることです。これが
重要とされる理由は、両方のバックアップ ストリームが同時に実行されており、バックアップ サーバーは、異なるクライアントからのデータ
ストリームに対してロード バランスを実行する必要があるからです。両方のバックアップ ストリームを実行している場合、バックアップ サー
バーの各アダプタ インターフェイスは同等の負荷を担っており、ロード バランス対象のデータは、両方のアダプタ インターフェイスで均等に
処理されることになります。
バックアップ サーバーが第 3、第 4 のバックアップ処理を開始した場合も、同じアルゴリズムが適用されます。バックアップ サーバーでチー
ム化したインターフェイスは、ユニキャスト G-ARP を転送して、バックアップ クライアントに ARP キャッシュを更新するように通知しま
す。そして、各クライアントは、バックアップ サーバー上のターゲット MAC アドレスに至るルートで、バックアップ データを転送します。
フォルト トレランス
テープ バックアップの実行中にネットワーク リンクで障害が発生した場合、バックアップ サーバーとクライアントの間のすべてのトラフィッ
クが停止して、バックアップ ジョブが失敗します。しかし、Broadcom SLB とスイッチ フォルト トレランスの両方に対応するように、ネッ
トワーク トポロジーを設定した場合、リンクに障害が発生しても、滞りなくテープ バックアップを続行することができます。ネットワーク内
のすべてのフェイルオーバー プロセスは、テープ バックアップ ソフトウェア アプリケーション側では見えません。ネットワーク フェイル
オーバー プロセスで、バックアップ データ ストリームの送信先を決定する方法を理解するには、図 10 のトポロジーを理解してください。ク
ライアントサーバー Red は、パス 1 を通じてバックアップ サーバーにデータを転送しますが、リンク障害はバックアップ サーバーとスイッ
チの間で発生します。データは、スイッチ #1 からバックアップ サーバーのアダプタ A インターフェイスへ送信できなくなったので、この
データは、スイッチ #1 からスイッチ #2 を介して、バックアップ サーバーのアダプタ B インターフェイスにリダイレクトされます。フォル
ト トレランス対応の動作はすべてアダプタ チームのインターフェイスとスイッチ上の中継の設定によって処理されるので、リダイレクトは
バックアップ アプリケーションに認識されずに実行されます。クライアント サーバー側から見ると、元のパスを介してデータを送信している
ように動作します。
図 10:2 つのスイッチにまたがる SLB チーム化によるネットワーク バックアップ