User manual - fx-520AZ テキスト
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■ スタック数の制限について
本機には優先順位の低い計算数値や計算命令(関数など)を一時的に記憶する「スタック」と呼ば
れるメモリーがあります。数値用のスタックは10段、命令用のスタックは24段まで使用できます。
数値用、命令用のスタックは、下記の要領で数えます。
1
2
3
45
1 2 3 4 5 6
7
数値用スタック 命令用スタック
҂
ѿ
1
2
3
4
҂
ѿ
5
6
7
1
2
3
2
3
4
4
5
5
4
スタック数を超えて計算式を入力し、計算を実行しようとすると、スタックエラー(Stack
ERROR)となり、計算結果を得ることはできません。
A
モードに応じた特殊なスタックの数え方について
u
CMPLXモードでは、入力した数値が実数、複素数のいずれの場合でも、1つの数値で2つの
数値用スタックを使用します。このため、CMPLXモードでの数値用スタックは、見かけ上
は5段となります。
u
M A T R I Xモードでは、3段の行列用スタックが利用可能です。行列を使った演算を1回行う
ごとに、その結果を格納するために、行列用スタック1つが使われます。また、行列の2乗、
3乗および逆行列の計算時も、行列用スタックを1段使用します。
u
V ECT O Rモードでは、5段のベクトル用スタックが利用可能です。スタックの数え方は、
MATRIXモードでの行列用スタックと同様です。
u
行列演算、ベクトル演算では数値用スタックも使われます。
■ 演算範囲、演算桁数、精度について
本機の演算範囲、内部演算桁数、および精度は、一般に下表の通りです。
演算範囲 ±1×10
−99
∼±9.999999999×10
99
および0
内部演算桁数 15桁
精度 原則として1回の計算につき10桁目の誤差が±1となります。指数で表示
する場合には誤差は表示されている仮数表示の最下位桁において±1とな
ります。連続して計算を行った場合は、この誤差が累積されます。
A
関数計算時の精度について
本機による演算は、基本的には上記の演算範囲、演算桁数、精度で行われます。ただし関数を
使った計算では、次の点にご注意ください。
u
関数計算時の入力可能な数値の範囲は、関数ごとに異なります。詳しくは 次ページの「関数
計算時の入力範囲について」を参照してください。
u
x
y
,
x
'
y
,
3
'
,
x
!,
n
P
r
,
n
C
r
など、内部で連続演算を行うタイプの関数では、内部での1回の
計算ごとに発生した誤差が累積されることがあります。
u
関数の特異点や変曲点の近傍で、誤差が累積されて大きくなることがあります。
u
自然表示で、計算結果を
π
形式で表示できる数値は
앚
x
앚⬍
10
6
の範囲です。ただし、内部演算の
誤差により、
π
形式で表示できない場合があります。また、小数になるはずの計算結果がπ
形式になってしまう場合があります。










