User manual - アプリケーション移行ガイド(2014年10月10日)
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3) カシオ提供 SDK シリアル通信制御/送受信切替ライブラリ
表 1-1 の No.4「シリアル通信制御/送受信切替ライブラリ」を実現する、カシオ IR インターフェイスは、
DT-970 では機能自体が存在せず、IrCOMM プロトコルの「IrDA 制御(Ir_xxx)」への変更が必要とな
ります。
カシオ IR インターフェイスと、IrCOMM プロトコルでは機能差異があるので、マニュアルを確認の上、
ソース修正が必要です。
DT-970 には従来の「シリアル通信制御」と同一名称の 4 関数(c_open, c_close, c_dout, c_tmdin)
が存在しますが、これは「USB HID 通信」を行うものです。
4) システムコール マニュアル記載イベント操作
表 1-1 の No.8「イベント操作」flg_sts, clr_flg, wai_flg については、ITRON バージョン差異により、関
数 I/F が変更されています。
このため、これらの 3 関数については、カシオ提供 SDK 内に、DT-930 互換 I/F を持つ 3 関数
(it2_flg_sts, it2_clr_flg, it2_wai_flg)を追加提供します。
DT-930 アプリケーションの DT-970 への移行は、以下の何れかの手法で対処可能とします。
ソース可読性/保守性から、基本的には①の手法を推奨します。
[表 1-2]
手法 内容
① 移行ツールで該当 3 関数を DT-930 互換関数に自動置換を実施
② Cコンパイラオプションとして –D DT930_CONVERT を指定
→ カシオ提供 SDK ヘッダのマクロ関数で互換関数に置換(*1)
③ 移行ツールで該当 3 関数がソース上に存在するかチェック実施
→ ユーザ判断で、以下の何れかの対処を実施
1) DT-930 互換関数への置換
2) DT-970 システムコールの I/F にあわせて変更
*1…具体的には下記のような記述で、コンパイル時プリプロセッサで置換を行います。
[リスト 1-1]
5) システムコール マニュアル未記載
表 1-1の No.9「システムコール マニュアル未記載」は、移行ツールで、ソース上に該当関数の記述が
あるか否かの確認が可能です。
記述が存在した場合は、ITRON バージョン差異による対処が必要となります。
#ifdef DT930_CONVERT
#define flg_sts( ) it2_flg_sts( )
#define clr_flg( ) it2_clr_flg( )
#define wai_flg( ) it2_wai_flg( )
#endif