User manual - Windows CE ソフトウェアマニュアルver.1.05(2010年6月30日)
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2.1.6 メモリ管理
DT-5300 では、高速で大容量の FlashROM(OneNAND Flash 256MB )と RAM(MobileDDR 128MB)を
搭載しています。
従来機は、RAM を RAM XIP(OS 展開用)、プログラムメモリ(プログラム実行用)、オブジェクトストア(作業
データ保存用)となっていましたが、DT-5300 は不揮発なメモリ(FlashROM)をルートフォルダにマウント
する方法にします。
このため、従来のメモリの使用方法から変更されるので、注意が必要になります。
注意点としては、
1) 電池が無くなっても、パッチやプログラムファイル、データが消えません。このため
従来 RAM のオブジェクトストアをバックアップする必要はありません。
2) 従来フルリセットでは、オブジェクトストア(RAM)が初期化されましたが、
DT-5300 ではルートディスクをフォーマットします。
3) UserDisk をフォーマットすると、レジストリやプログラムファイル、データが
初期化され、工場出荷状態に戻ります。
4) UserDisk をルートフォルダにマウントする RootDisk と FlashDisk に分割しました。
RootDisk は、システムファイルやレジストリ、パッチドライバ等が格納され、
FlashDisk はバックアップツールや復旧ツールのバックアップデータを保存できます。
このためシステム不具合発生時に、FlashDisk からの復元が可能なようにしました。
RAM
DT-5300 では OS をメモリに展開して動作させるため、128MB の RAM を以下の 3 つの目的に使います。
1. ドライバグローバル/バッファ:ドライバ等の作業領域
2. OS エリア:OS を展開して動作させる領域
3. プログラムメモリ:OS の作業領域を含むプログラム実行用メモリです。
DriverGlobal は、ドライバの作業領域として固定的に取られているエリアです。カメラのバッファ
は、カメラ搭載モデルの場合に使用されるエリアで、カメラ撮影時のカメラデータを一時的に
展開しています。
DT-5300 では、FlashROM の Kernel 部から OS その他モジュール全体をメモリに展開しており、RAM 上で
高速に動作します。
フルリセット及び電池無しからのブート時には再度 OS を RAM に展開するため、時間が掛かります。
従来のオブジェクトストア領域(RAM ディスク相当)は、ありません。このため、マイデバイス
以下のルートや Windows フォルダにファイルをコピーすると、実際には FlashROM 上の UserDisk 上にフ
ァイルが生成されており、バックアップなどの操作をしなくても電池無しの際にデータが保持されます。
またフルリセットは、従来のオブジェクトストア(RAM)を消すのではなく、RootDisk を
削除することで、レジストリやシステム DB が削除され、システムを初期化することが出来ます。。
このためプログラムメモリとオブジェクトストアの比率は、WindowsCE のコントロールパネルから変更できま
せん。