User manual - Windows CE ソフトウェアマニュアルver.1.05(2010年6月30日)
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2.5.2 通信機能
IC カードのデータの読み出し / 書き込みは、NFC モジュールと IC カードと非接触通信により行います。
IC カードには、規定したコマンドに対する動作があらかじめプログラミングされています。規定どおりのコ
マンドを IC カードに送信すると、IC カードは受信したコマンドに対する動作を行います。動作が完了する
と、動作結果を表す応答情報を送信します。
以下に、このときの通信に関する機能について説明します。
カードポーリング機能
1. 通信可能範囲内にある IC カードの検索
2. IC カードの発見
3. IC カードの起動
4. IC カードからの応答情報の取得
カードポーリングは、IC カードを発見する、タイムアウト時間経過する、指定したコールバック関数が
FALSE を返す、または、ポーリング停止関数を実行すると、IC カードの検索を終了します。
また、IC カードの起動成功後、NFC モジュールは IC カードに対して電源供給を行うため、電波を送信し
続けます。この電波は、電波送信停止関数を実行する、または、IC カードとのデータ通信が行わずに一
定時間経過すると、自動的に停止します。自動停止の有効 / 無効の設定や、停止までのタイムアウト時
間は切り替えが可能であり、初期設定は自動停止が有効、タイムアウトが 1,000msec となります。
※ 通信可能範囲内に複数の IC カードが存在する場合、どれか一枚のカードのみを起動するか、全ての
カードを起動することができません。 確実に通信を行うためには、IC カードを 1 枚ずつ通信範囲に近
づける必要があります。
データ通信機能
カードポーリング機能により、IC カードが起動すると、データ通信が可能となります。
IC カードに対して、送信したコマンドに対する応答情報の受信が完了する、または、タイムアウト時間が経
過すると通信を終了します。
通信が成功した場合、IC カードは起動した状態を保持するため、他のデータ通信を連続して行うことがで
きます。
表 2-5-1
機能 説明 動作終了条件 タイムアウト
カードポ
ーリング
機能
通信可能範囲内にある
IC カードを検索し、IC カ
ードを発見した場合は、
IC カードを起動して応答
情報を取得します
カードの起動に成功し、カード情報
の取得が完了する
タイムアウト時間が経過する
指定したコールバック関数が FALSE
を返す
ポーリング停止関数を実行する
100~60,000msec
または
タイムアウト無し
データ
通信機能
起動に成功した IC カー
ドとデータ通信を行うこと
ができます
IC カードからの応答受信を完了す
る
タイムアウト時間が経過する
60msec※1、※2
※ 1 NFC モジュールがコマンドを送信してから、IC カードからの応答を受信するまでの待ち時間が上記
の時間を越えると、タイムアウトが発生します
※ 2 詳細な時間については現在検討中です