User manual - 無線LANアクセスポイント設定マニュアルVer1.00a(2014年8月5日)
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【ご参考】技術資料~無線LANの環境は常に変化しています~
鉄製の机 ドア
左図(Figure4)は2.4GHzの電波がある室内において、
反射波の影響を受けて、電波の強弱が発生している
様子を視覚的に表したものです。この図は静的に
捕らえた電波強度ですが、室内にある物体の移動により
動的に変化します。
ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Editionによると、同じ
位置にいても電波強度は動的に絶えず変化をしている、
とあります。(青→黄→赤と弱くなります。)
(ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Editionより抜粋)
【無線LANの環境は常に変化しています】
「2.4Ghz帯という特性上、10数センチ単位※1の波で電波の強い部分、弱い部分が交互にあるため
に、APに近くても必ずしも近くのAPにつながりっぱなしになるわけではなく遠く
のAPにつながる場合もあり、その為、交互にAPにローミングする可能性がある」
※1: 約30万Km(電波長)÷ 2.4Ghz =約12.5cm
【反射波の補足】
《1》Reflection
電波物体に当たると入射角と同じ角度で反射します。
反射に関しては下記3つの物体で影響が異なります。
・コンクリート:無線エネルギーが吸収・熱変換される
ため反射した無線エネルギーは弱くなります。
・鉄板 :ほぼ同等の無線エネルギーが反射します。
・水分 :無線エネルギーは吸収され、反射しません。
《2》MULTIPATH
APからSTAに信号を送る場合、最初に届くのは
「Direct Path」になります。その後、壁やパーティション等
から反射した「Reflected Path」が届きます。その結果、
STAは同じ信号を3度受けることになります。STA側で
「Direct Path」と「Reflected Path」の判別がつかなければ
AP-STA間のデータデータ転送は化ける可能性も
あります。
MULTIPATHにより悪影響を受ける場合も多いですが、
MULTIPATHのお陰で、電波が届く場合もあります。
異なるAPからの反射波が横切るMulti Pathには[c]の
ような問題もあります。反射波同士が交わった「山」と「谷」
では、お互いの信号を打ち消し合います。
( 「Nulls」や「Loss of Signal」になります。)「Nulls」の
ポイントでは明確な障害物が無い場合でも無線の弱い所
や隙間が存在する部屋の中の「Dead Spot」になります。
図C: 反射波同士が交わった「山」と「谷」の部分が
「Nulls」になります。
[a]
[b]
[c]
Direct Path
Reflected Path
Reflected Path
壁
鉄製戸棚
AP
Null