DT-870/5100 (& DT-5042RFB) DS 無線 LAN 設定マニュアル ∼DT-5042RFB(アクセスポイント)側∼ Ver1.00 Copyright© 2002 CASIO COMPUTER CO., LTD. All rights reserved.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 目次 §1.無線通信技術の基礎知識....................................................................................3 1-1. 電波の特性 .....................................................................................................3 1-1.無線通信の種類................................................................................................6 1-3.無線通信の規制..............................................................................................16 §2. アクセスポイント設置場所規定 ...........................
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル §1.無線通信技術の基礎知識 1-1. 電波の特性 a)特性パラメータ ①波長 :電磁波の山-山間/谷-谷間の頂点距離 ②振幅 :電磁波の山-谷間の頂点距離 ③周波数 :1秒間に繰り返される山の数 電波(電磁波)の特性パラメータ 振幅 t 波長 ④偏波面:電磁波の山や谷が最も強く発生する面 電磁波は、電界と磁界という2種類の波が、直交して伝播します。 無線通信は電界により行われますので、通信を行うときは、送信側と受信側の アンテナの偏波面(y-z 面)が一致した場合に最も強く電波を伝達できます。 逆に偏波面が直交すると、原理的には電波強度が“0”になります。 偏波面 y 電界 z 磁界 x アンテナのエレメント 3
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル b)伝播特性 ①反射 :電磁波は金属に当たると跳ね返る性質があります 電磁波の反射 Θ Θ 金 属 ②回折 :電磁波は波長よりも小さい隙間のある金属に当たると回り込んで伝播 する性質があります (波長の短い、高周波の電波ほど直進性が強くなります) 電磁波の回折 金 属 金 属 4
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ③干渉 :電磁波は他の電磁波と衝突して干渉する性質があります 合成波(a+b) 基本波 a 基本波 b 外来ノイズや反射波との干渉によって、上記のような合成波が発生します。 このような波形歪みは、ディジタル伝送では深刻な問題となる場合があります。 反射により、電波の伝播経路が複数発生すると、その経路長から、位相差や減衰 量の差が生じ、結果的に上記のような干渉による合成波が発生して元の波形が判 らなくなります。 ........... このような現象はマルチパスフェージングと呼ばれます。 送信機 直接波 受信機 c)通信性能劣化の要因 外来ノイズの干渉 反射波・回折波の干渉 電磁波の減衰:物質の中を通過する際、電磁波はその距離に従って減衰します 5
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 1-1.無線通信の種類 a)無線通信の媒体 光 :無線LAN、IrDAなど 磁気 :非接触メモリカードなど 電波 :無線LAN、Bluetooth など ※このうち、DT-870,DT-5100 で使用している無線機は、電波による無線LANまたは Bluetooth になります。以降本書では無線LANを中心に記述します b)伝送信号の分類 ①アナログ信号 音声(AM/FMラジオ、トランシーバー、アマチュア無線) 画像(地上波TV)の情報信号 [特徴] ノイズや干渉による影響は S/N 比低下として現れ、聴視者が補正することによ って、一般にディジタル信号の伝送と比較して情報伝達不能に至ることが少な いといえます。 例)TVのゴースト、ラジオの雑音など ②ディジタル信号 音声(携帯電話) 画像(衛星放送[BS]/[CS]) その他(無線LAN、Bluetooth、GPS) [特徴] ノイズや干渉による影響はデータビットの欠損として現れ、一瞬の電波の干渉 によってデータエラーが発生し、再送が必要となる可能性があります。 また、一般に受信回路
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル c)符号変調の方式(ディジタル信号) ①振幅変調(ASK) 2(値)ASK 振幅の大小で”0”、”1”の2通りを伝送/判別する方法 [特徴] ノイズの影響や反射波の影響を受けやすく、FSK や PSK よりも安定性・確実性に 欠ける [実施例] ラジコン、リモコンなど ②周波数変調(FSK) ●2(値)FSK/BFSK: ある基準周波数以下か以上かで”0”、”1”の2通りを伝送/判別する方法 [特徴] 下記の4値 FSK よりも広い範囲で安定した通信が可能 2(値)FSKの符号伝送方式 判定基準 判定基準 エネルギー(E) エネルギー(E) 周波数(f) "0" 周波数(f) "1" "0" "0"を伝送する場合 "1" "1"を伝送する場合 ●4(値)FSK/QFSK: 上記の2値 FSK の判定基準を3つにし、”00”、”01”、”10”、”11”の4通 りを伝送/判別する方法 [特徴] 2値 FSK よりも高速(2倍)のデータ通信が可能 4(値)FSKの符号伝送方式 判定基準 判定基準 エネルギー(E) エネルギー(E
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 補足説明 前述のように、ある一瞬に伝送できるデータは、2値 FSK は1 bit(“0”,”1”)ですが、4値 FSK は2bits(”00”,”01”,”10”,”11”) となり2倍の情報を伝達できます。 従って、符号変調の速度(周波数の切替間隔)が同一であれば、4値 FSK は 2値 FSK の2倍の通信速度になります。 前ページの図から、4値 FSK は2値 FSK を変調・復調する場合よ り、”0”、”1”または”00”、”01”、”10”、”11”判定により高い精度 が要求される事が判ります。 一般に、4値 FSK よりも2値 FSK のほうが変調・復調が容易であり、より弱 い信号(S/N 比の低下)でも安定した通信が可能であるといえます。 .... 結果として、2値 FSK は4値 FSK に対して電波干渉による影響が軽減するな ど、より広い範囲での通信が可能になるという特徴があります。 ※この方式は、DT-9000/DT-9500/IT-2000/DT-800/DT-850 で使用している無線機 (Proxim 社 RangeLAN
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ③位相変調(PSK) ●BPSK: 電波の波の位相変化が有るか無いかで”0”、”1”の2通りを伝送/判別する方 法 [特徴] QPSK よりも広い範囲で安定した通信が可能 2(値)PSK(BPSK)の符号伝送方式 BPSK変調された信号 "1" t "0" "0" cos ωt "1" "0" "0" "1" ●QPSK: BPSK の符号化を4つの位相変化の状態で判定 し、”00”、”01”、”10”、”11”の4通りを伝送/判別する方法。 [特徴] BPSK よりも高速(2倍)のデータ通信が可能 4(値)PSK(QPSK)の符号伝送方式 QPSK変調された信号 "01" "11" t "00" "10" cos ωt "11" "00" "00" "01" "10" 周波数変調と同様に、ある一瞬に伝送できるデータは、BPSK は1 bit(“0”,”1”)ですが、QPSK は2bits(”00”,”01”,”10”,”11”)と なりますので、符号変調の速度(位相切替の間隔)が同一であれば、QPSK
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル d)通信方式 ①狭帯域通信 特定のキャリア周波数のみを使用した無線通信の方式 [特徴] 通信に使用する電波の周波数帯域が狭い 外来ノイズの影響を受け易い [実施例] PHS、FDMA アナログ携帯電話、TDMA ディジタル携帯電話、アマチュア無線 構内無線、市民ラジオ(トランシーバー)、微弱無線(一部除く) 特定小電力無線(一部除く) ②周波数拡散(Spread Spectrum) 通信に使用する電波の周波数帯域を広げることで、秘匿性や耐ノイズ性を向上した 無線通信の方式 (周波数拡散技術は、軍事用の暗号化技術として開発されました) [特徴] 狭帯域通信の信号に二次的に拡散符号を積算し、通信に使用する電波の周波数帯 域を広げたもの 外来ノイズの影響を受けにくく、また、秘匿性が高い [実施例] 無線LAN、CDMA ディジタル携帯電話、IMT-2000 携帯電話、Bluetooth 狭帯域通信と周波数拡散のスペクトル エネルギー(E) 狭帯域通信の スペクトルの例 周波数拡散の スペクトルの例 周波数(f) 10
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ③狭帯域通信と周波数拡散の比較: 各方式の無線周波数スペクトルは、およそ以下のようになります。 .. 周波数拡散の原理は、狭帯域通信の信号に更に周波数を変動(二次変調)させて帯 域を広げるというものです。 狭帯域通信(送信機の構成例) 一次変調 (符号変調) 発振器 増幅器 "0" "1" "0" "0" "1" エネルギー(E) エネルギー(E) 周波数(f) 周波数(f) 周波数拡散方式(送信機の構成例) 一次変調 (符号変調) 発振器 二次変調 (拡散変調) 増幅器 "0" "1" "0" "0" "1" エネルギー(E) エネルギー(E) エネルギー(E) 周波数(f) 周波数(f) 周波数(f) 二次変調には後述するFH方式、DS方式などがあります。 二次変調後の信号を元に戻すためには、二次変調の規則を知る必要があるため、一 ... 定の秘匿性があります。 11
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ... 周波数拡散させた場合、狭帯域の場合に比べて原理的にノイズや干渉に強くなる 性質があるといわれています。 狭帯域通信の耐ノイズ性能 周波数拡散の耐ノイズ性能 外来ノイズの スペクトルの例 外来ノイズの スペクトルの例 エネルギー(E) エネルギー(E) 狭帯域通信の スペクトルの例 周波数拡散の スペクトルの例 周波数(f) 周波数(f) 周波数帯域の競合する外来ノイズと干渉した場合、 符号の復元(復調)が出来ないことがある 外来ノイズと干渉しない周波数帯域の情報を使って、 符号の復元(復調)が出来る 実際には、拡散の方式によってノイズの影響を回避できるか否かに違いがあり ますが、これについては後述します。 12
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル e)拡散(2 次変調)の方式 ①周波数ホッピング方式(Frequency-Hopping Spread Spectrm:FH方式) 符号変調後の信号の搬送波(キャリア)の周波数を定期的に切替える方式。 [特徴] ノイズの周波数とホッピング ch が一致した場合のみ、データの欠落などの影響 を受けます。 回路が簡単な構成となるためDS方式よりも安価で小型化が容易です。 [応用例] 無線LAN、Bluetooth など FH-SS方式のスペクトル エネルギー(E) 周波数(f) FH-SS方式の拡散動作 一定時間後、別の 周波数にジャンプ して通信を行う 一定時間、周波 数を固定して狭 帯域通信を行う エネルギー(E) エネルギー(E) ① 周波数(f) 周波数(f) 次々に周波数 を変えながら 通信を行う ② 周波数(f) エネルギー(E) エネルギー(E) ③ 周波数(f) 上記のような周波数の切替を周波数ホッピング(FH)と呼んでいます。 FH方式は、ある瞬間だけを見ると狭帯域通信を行っています。 周波数切替のパタンを
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ②直接拡散方式(Direct-Sequence Spread Spectrm:DS方式) 搬送波(キャリア)に拡散符号を掛け合わせて周波数を拡散する方式です。 拡散符号は長い周期性のある擬似ランダム符号(PN符号)を使用することで、秘 匿性や耐ノイズ性が高められます。 [特徴] ノイズや自己の反射波の位相干渉の影響を受けにくい。 回路が複雑な構成となるためFH方式よりも小型化が難しく、コスト高。 [応用例] 無線LAN(IEEE802.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル f)各方式の耐ノイズ性能 ①FH方式 定期的に使用する周波数を切り替えるため、使用可能な周波数帯域全部を埋め尽 すようなノイズで無い限り、ノイズのある周波数に留まる事が無く、いつかはノイズ の無い通信可能な周波数帯に移動するために通信が出来る。 ②DS方式 周波数拡散するために拡散符号と呼ばれるノイズ性の符号系列に従って周波数変 調されて送信され、受信時には拡散符号との相関を取って復調を行います。 逆拡散を行った場合、拡散符号と相関の取れない信号は減衰され、相関した信号 は見かけ上増幅されるため、外来ノイズが減衰されて復調された信号の S/N 比が改 善されます。 このようなメカニズムから、耐ノイズ性能が高いといわれていますが、受信信号 の S/N 比が一定以下になると、相関信号との比較が難しくなり、上記効果が充分に 得られないことがあります。 このことは、受信器から見た送信機とノイズ源の距離により通信状態が変化する .... ことから距離問題と呼ばれます。 実験的に外部から狭帯域信号を与えた場合、データエラーが発生する場合がある ことが確認されて
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 1-3.無線通信の規制 無線機の発射する電磁波は、限りある電波の周波数有効利用と、安全のために、多 くの国や地域の法規等で規制されています。概要は 4 章を参照してください。 規制内容の詳細については、当該国/地域の無線主管庁に確認してください。 16
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル §2.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル (3)アクセスポイント設置推奨条件 シグナル強度表示 Ping 結果 :”OK”, “良”, ”最良” :10回中8回以上成功 APと端末間の距離 :「30m」以内 使用する環境によって大きく変化します 設置時にはサイトサーベイを行い、運用場所で通信 可能なことを確認してください AP同士の距離 :「10m」以上 距離が近いとお互いの電波が強く干渉し、通信機能 や性能を劣化させる場合があります AP設置場所 :端末からアンテナが見える場所 通信相手となる端末の使用する方向に金属やコンクリート などの遮蔽物が無いこと また、机や棚、小型のキャビネットなど、比較的低 い遮蔽物などの影響を最小限にとどめるため、AP は見通しの良い高い位置に設置した方がサービスエ リアを有効に活用できます 隣接するAPのチャンネル :チャンネル設定は 5ch 以上離す ch が近いとお互いの電波が強く干渉し、通信機能や 性能を劣化させる場合があります ※通信距離は、使用環境により大きく左右されます。 見通しの良い場所では、屋外「150m」、屋内「50m
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル (5)アンテナの向き a)アクセスポイントのアンテナ APのアンテナは、床に対して垂直となるように設置してください。 ... APのアンテナの偏波面は、アンテナの長手方向にあります。 偏波面を一致させ、見通し環境での良好な通信を実現するため、及びAPの通 信可能エリアを有効に活用するため、APのアンテナは極力垂直に設置してくだ さい。 垂直方向の指向性 AP アクセスポイントは、2本のアンテナでダイバーシティー機能に対応していま す。 ダイバーシティーとは、複数のアンテナのうち、最も通信状態の良好なアンテ ナを選択して実際の通信を行う機能うを指します APは、2本なアンテナを使用したダイバーシティー機能に対応できますが、通 信時にはこのうち1本を選択して使用しています。 ここでは、1本のアンテナの指向性について解説します 送受信の電波の強さ 強 弱 垂直方向におけるアクセスポイントのアンテナの指向性 は上記のようになっています。(概念図) アンテナの上下方向には指向性がありませんので、上下 方向は通信距離が短く、水平方向は長くなります。
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル b)端末機のアンテナ 端末装置は、表示を上面にした状態で右上にアンテナを内蔵しています。 無線 LAN 使用時は、アンテナの内蔵されている部分を手等で覆うと通信性能 を劣化させる場合がありますのでご注意ください。また、手持ちで使用した 場合、人体の影響を受け、背後の通信距離が短くなる場合があります。 20
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル §3.アクセスポイントの機能 DT-5042RFB/Cisco 製 AP340 には、ローミング機能とリピーター機能があります。 3-1.ローミング機能 同一有線回線上に配置されたAP間を端末が移動した場合も、通信を継続できるサー ビス 設定: 特に必要なし(出荷時設定で有効) 概念図: IBM 互換機 ワークステーション ワークステーション 移動元の アクセスポイント 移動先の アクセスポイント AP AP アクセスポイン トのサービスエ リア(セル) 移動した 端末装置 ローミング機能を有効にしているアクセスポイント間で は、端末機が、1台のアクセスポイントのサービスエリア (セル)からはずれても、その場所が他のアクセスポイ ントのサービスエリアにあれば、回線断することなく、 連続した通信が提供されます。 21
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 3-2.リピーター機能 有線回線上に配置されたAP1台に対し、単独で存在する(有線回線に接続されてい ない)複数台のAPを経由し、端末が接続できるサービス IBM 互換機 ワークステーション ワークステーション アクセスポイントの サービスエリア(セ ル) 有線LAN接続元の アクセスポイント AP リピータとなる アクセスポイント (1段目) AP リピーターサービスエ リア内の端末装置 リピータとなる アクセスポイント (2段目) AP リピータを設置することで、有線LANの設置の無い場所でも、通信可能にすることが出来ま す。 また、リピーターは最大7段まで設置可能です。 1台のアクセスポイントに接続できるリピータの台数は端末台数との合計が2048台までとなり ます。 リピーターは送受信を同時に行うことが出来ませんので、受信したものを一旦キャッシュし、受 信終了後に送信を行います。(無線回線は半二重通信です) 従って、リピーターを1台経由するごとに通信の遅延が発生します。 回線上の物理レートは最大11Mbpsですが、リピータ使
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 3-3.リピーター&ローミング機能同時使用 リピータ動作時も、ローミング機能が使用できます。 IBM 互換機 ワークステーション ワークステーション アクセスポイント のサービスエリア (セル) 有線LAN接続元の アクセスポイント ROOT AP リピータとなる アクセスポイント リピーター AP リピーター ロー AP ミ グ ン リピーターサービス エリア内の端末装置 リピータ設置した場合、リピーター間を含むアクセスポ イント間でのローミングが可能になります。 23
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 3-4.ネットワーク・フィルタ機能 APには、ネットワークブリッジの機能としてプロトコルフィルタ機能があります Setup Address Filter :MAC Ethertype Filter address filtering :Ethertype protocol filtering IP Protocol Filter :Ethernet IP Protocol filtering Radio IP Protocol filtering IP Port Filtering :Ethernet IP Port filtering Radio IP Port filtering 上記設定以外にも、APは、接続されている端末の MAC アドレスを管理し、管理テーブ ル内にある MAC アドレスに対するパケットのみを無線LAN上に送出し、無線回線上 の余分なトラフィックの発生を防止するように動作します 24
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル §4.アクセスポイントの設定 4-1.重要な設定パラメータ APには、以下の基本的な設定パラメータがあります。 a)Service Set ID(SSID) 無線通信させるAPと端末は SSID が一致しなければなりません。 SSID が一致しない場合、無線通信やサイトサーベイなど、無線を使用した機能 が使用できません。 b)IP Address & IP Subnet Mask APを有線LANに接続する際、適正な IP Address と IP Subnet Mask を設定 しないと、有線LANを経由した通信が使用できません。 但し、本製品は DHCP 及び BOOTP に対応していますので、実際使用する際は、有 線LANの管理者と調整し、設定を行ってください。 c)Channel 本製品で使用する無線装置は、IEEE802.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 各 ch の周波数帯幅が 22MHz あるのに対し、ch 間隔は 5MHz しか無いため、隣り 合った ch を使用した場合など、周波数範囲がオーバーラップします。 このような場合、電波干渉や衝突回避機能によるスループット低下など性能劣 化の発生が予測できますので、設置の際には、隣り合うAPのチャンネルを最低で も 5ch 以上離して設定することを推奨いたします。 基本的には、1ch-6ch-11ch の3つのチャンネルを後述する設置方法のように組 み合わせてご使用いただくよう御願いいたします。 26
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 4-2.アクセスポイント設定方法の概要 APには以下のように、シリアルポート、有線LAN、無線LANの各ポートを経由し た、設定及び動作状態確認用のユーティリティーメニューが組み込まれています。 ※アクセスポイントの詳細な設定にマニュアルについては、下記シスコシステムズ(株)の ホームページよりダウンロードすることができます。 http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/product/product/wireless/aironet/man/index.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 4-3.シリアルポート経由によるAP設定方法 RS−232Cストレート(モデム)ケーブルでPC−AP間を繋ぎ、PC側で Windows のハイパーターミナル等を起動します。 このときのポート設定は Bit rate 9600bps Data length 8bit Stop bit 1bit Parity bit NONE Flow control XON/XOFF とします。 APの電源投入、またはPCの[Enter]入力によってユーティリティーメニューが起動 します。 AP340-48b145 AP340-48b145 [Cisco AP340 11.01] [Cisco AP340 11.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 無線部の設定準備 ①画面1の状態から “s”と入力して [Setup]を選択します。 ===[Express Setup]=== [Defaults Associations] Associations [Address Filters] [Advanced] [Defaults Event] Event Log [Event Handling] [Notifications] [Console/Telnet] [Time Server] [Boot Server] [FTP] Services [Routing] [Web Server] [Cisco Services] [Id Ethernet] [Id AP Radio] [Name Server] [SNMP] [Security] Network Ports [Hw Ethernet] [Fltr Ethernet] [Hw AP Radio] [Fltr AP Radio] [Adv Ethernet] [Adv AP Radio] _________
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル SSID の設定 ①SSID 設定を行うには画面3の状態から”ser”[ENTER]と入力します。 すると、”Enter Service Set ID(SSID):”と表示されますので、そのまま”tsunami” [ENTER]などと入力します。 ②続いて上記画面に戻ると、SSID の表示が変更されています。 しかしこのままでは未だ変更が完了していませんので、”ap”[ENTER]と入力します。 すると、画面が更新されます。 元の画面に戻るために[ENTER],”=”を入力します。 この状態で画面1に戻りますので変更を確認するために画面4を表示させます。 通信する端末とAPは同一のSSIDにする必要があります。 SSID が同一設定になっていない場合、無線通信、及びサイトサーベイは出来ません。 30
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 有線 LAN の設定準備 ①画面1の状態から “s”と入力して [Setup]を選択します。 ===[Express Setup]=== [Defaults Associations] Associations [Address Filters] [Advanced] [Defaults Event] Event Log [Event Handling] [Notifications] [Console/Telnet] [Time Server] [Boot Server] [FTP] Services [Routing] [Web Server] [Cisco Services] [Id Ethernet] [Id AP Radio] [Name Server] [SNMP] [Security] Network Ports [Hw Ethernet] [Fltr Ethernet] [Hw AP Radio] [Fltr AP Radio] [Adv Ethernet] [Adv AP Radio] _____
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル IP Address の設定 ①IP Address 設定を行うには画面4の状態で ”add”[ENTER]と入力します。 すると、”Enter Address:”と表示されますので、そのまま”132.1.70.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 4-4.有線LAN経由のAP設定方法 ※有線LAN経由でのAP設定が可能ですが、DHCP 有効など IP アドレス等の設定が固 定でない場合などには、シリアルポート接続で設定を行ってください。 PC等を使用した有線LANからのAP設定には、ブラウザを使用します。 APの初期値は IP Address = Subnet Mask 10.0.0.1 = 255.255.255.0 Configration Server Protocol = DHCP となっていますので、DHCP サーバーへの接続は避けてください。 ※DHCP サーバーのあるネットワークに接続すると、IP アドレスが自動的に変更され、 以下の操作で IP アドレスが設定出来なくなります。 PCからアクセスするためにはPC側の LAN 設定を IP Address を 10.0.0.x Subnet Mask を (x の部分は 2∼255 の任意の値) 255.255.255.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル SSID の簡易な設定方法 ①画面5の状態から Setup を左クリックすると以下のページが表示されます。 【画面6 WEB Setup】 ②画面6の状態から、水色のバーの中にある Express Setup を左クリックすると 以下のページが表示されます。 【画面7 WEB Express Setup】 34
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ③画面7の状態で”Radio Service Set ID(SSID)”のパラメータ設定を行います。 設定パラメータの入力後は、必ず[Apply]ボタンを左クリックして設定を完了 します。 ※サイトサーベイを行うAPの SSID と端末の SSID が同一になるように設定を 行う必要があります。 設定を初期値に戻す場合は[Restore Default]ボタンを左クリックします。 ④設定後に[OK]ボタンを左クリックすると画面6の WEB Setup に戻ります。 ※同様の方法で IP Address の設定も可能ですが、設定後、速やかにAPの IP Address が変更されますので、WEB ブラウザのアドレス Address を設定し直す必要があります。 35 バーに更新後の IP
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 4-5.無線LAN経由のAP設定方法 ※無線LAN経由でのAP設定が可能ですが、AP-端末間の SSID の不一致、DHCP 有 効など IP アドレス等の設定が固定でない場合などには、シリアルポート接続で設定 を行ってください。 端末を使用した無線LANからのAP設定には、ブラウザを使用します。 APの初期値は SSID = tsunami IP Address = 10.0.0.1 Subnet Mask = 255.255.255.0 Configration Server Protocol = DHCP となっていますので、DHCP サーバーへの接続は避けてください。 ※DHCP サーバーのあるネットワークに接続すると、IP アドレスが自動的に変更され、 以下の操作で IP アドレスが設定出来なくなります。 上記設定後に端末上で Internet Explorer などの WEB ブラウザを起動し、アドレス に”10.0.0.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル §5.サイトサーベイ 無線性能(通信距離やスループット)は種々の要因で変化する電波環境に大きく左右 されます。 そのため無線LANのような通信設備を導入する際には、運用される場所での無線回 線品質を確認しておくことが必要です。 また、この結果から、アクセスポイントの設置場所を決定するなどに活用できるなど、 運用場所における無線回線品質を確保するため対策検討に有効な手法です。 サイトサーベイの実行に必要なAP及び端末設定: 必要な機器 必要なソフトウェア ターミナルソフト WEBブラウザ PC 端末 シリアルポート経由 ○ − ○ 有線LAN経由 ○ − 無線LAN経由 − サイトサーベイ − 必要な設定情報 Ping APのIPアドレス APのSSID − − − − − ○ − ○ − ○ − ○ − ○ ○ ○ − − ○ ○ ○ 上表のように、サイトサーベイを実行するためには、SSID 及び AP と端末の無線及び ネットワークの設定を行う必要があります
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル APの設置は、4.アクセスポイントの設定 に記載のように、隣接する3台のA P(下図参照)のチャンネルを 5ch 以上離し(ch1-ch6-ch11)、これらを結ぶ3角形 を次々展開していく方法を推奨します。 AP ch1 AP AP ch11 ch11 ch1 ch11 ch1 AP AP AP AP ch6 AP ch6 38 AP ch6
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 5-1.
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル (2)Ping による通信品質測定 ワイヤレス構成画面での“シグナル強度”表示は、電波の強度のみを表示しています。ノイ ズ等を含めた通信品質を見るため、Ping を併用してください。 Ping 実施方法 1. コマンドプロンプト起動 スタート→プログラム→コマンドプロンプト 2.Ping 実行 ping [アクセスポイントの IP アドレス] -n 10 例 ping 132.1.70.1 -n 10 以上の手順により10回 Ping を行います。このうち8回以上 Reply from ...
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 30m アクセスポイント 設置場所 ③円の中心を取り円周に交差する直線を1本引き、またそれに直交する同様の直線を 1本引き、その線上を円の中心から5∼10m間隔でマークし、測定点とする。 サイトサーベイ 測定点 30m アクセスポイント 設置場所 円上の一箇所に次のAPの設置場所を決め、②④を繰り返し、運用場所の全域が記入 した円のいずれかの中にある状態にする。 サイトサーベイ 測定点 30m アクセスポイント 設置場所 ④見取り図のAP設置場所にAPを設置し、電源を投入する。 41
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ⑤APの近傍でワイヤレス構成画面を表示し、接続済み SSID が、測定対象のAPのも のであることを確認する。 ⑥AP近傍で、シグナル強度表示が“OK”“良”“最良”であることを確認する。 ⑦見取り図中の円の中心から引かれた直線を1本選択し、その直線上の最も内側の任 意の測定点から円の外周に向けて、順次⑥⑦を実施する。 このとき、シグナル強度表示が“非常に低い”“低”にならないかを確認する。 → “OK”“良”“最良”であれば、同一方向に更に5∼10m移動し⑦を繰返す。 → “非常に低い”“低”になったら少し戻って “OK”“良”“最良”になる場所を 見つける。この場所で Ping を行い、基準以上であることを確認する。基準以下であ った場合、さらに戻って再度 Ping を行い、基準以上となる場所まで戻る。その場所 を移動した方向における通信距離の限界とし、見取り図にマークする。 ⑧測定した方向以外で⑤∼⑧を繰り返し、見取り図のマークを線で結ぶ。 ⑨見取り図中の線で囲まれた範囲が、現在のAPの設置位置からの通信可能エリアで ある。 ⑩APの設置場所
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル 5-3.アクセスポイントの設置例 以下を目安とし、APの仮の設置場所を決め、その場所でサイトサーベイを実施し て導入時のAP設置場所を決定してください。 ①狭いスペース ∼その1∼ AP1台のサービスエリアでカバーできるような狭い場所 壁や金属の棚、荷物、工作機械などの遮蔽物が無い場合 APの台数を最小にしたい場合 広さの目安 半径30mの円に全体が入るような空間 30m アクセスポイン ト設置場所 43
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ②狭いスペース ∼その2∼ AP1台のサービスエリアでカバーできるような狭い場所 壁や金属の棚、荷物、工作機械などの遮蔽物が無い場合 使用場所の中央付近にAPの設置できる場所が無い場合 広さの目安 半径30mの円に全体が入るような空間 アクセスポイント 設置場所 30m 30m アクセスポイント 設置場所 上記のような設置方法にすることで、APが万一故障した場合でも、他の1台 でオーバーラップした領域での通信をバックアップすることが出来ます。 但し、このような場合、各APのチャンネル設定は、4.アクセスポイント の設定 に記載されているように 5ch 以上離すことを推奨いたします。 ※APは、部屋の4角などに設置すると、サービスエリアを有効に使用できず (円の 3/4 は使用場所の外になってしまう)、また壁からの電波の反射によっ て、電波干渉が発生し、通信性能が劣化する場合があります。 設置場所はなるべく部屋の4角は避けてください 44
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ③狭いスペース ∼その3∼ AP1台のサービスエリアでカバーできるような狭い場所 壁や金属の棚、荷物、工作機械などの遮蔽物がある場合 広さの目安 半径30mの円に全体が入るような空間 遮蔽物がある場合は、APから見た反対側(図中の網掛け)には電波が届かな いか、または弱くなるため、良好な通信が出来ない場合があります。 このような場合は、網掛け部分をカバーできる位置にAPを追加して設置する ようにしてください。 但し、このような場合、各APのチャンネル設定は、4.アクセスポイント の設定 に記載されているように 5ch 以上離すことを推奨いたします。 30m 壁や金属の棚など の遮蔽物 アクセスポイント 設置場所 電波の届き 難い場所 壁や金属の棚など の遮蔽物 アクセスポイント 設置場所 30m 1ch 6ch アクセスポイント 設置場所 45
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ④広いスペース ∼その1∼ AP1台のサービスエリアではカバーできない広い場所 壁や金属の棚、荷物、工作機械などの遮蔽物が無い場合 使用場所の中央付近にAPの設置できる場所が無い場合 広さの目安 半径30mの円に全体が入らないような空間 但し、このような場合、各APのチャンネル設定は、4.アクセスポイント の設定 に記載されているように 5ch 以上離すことを推奨いたします。 30m ch1 アクセスポイント 設置場所 ch11 ch6 ch6 ch1 ch1 ch11 ch11 ch6 46 ch1
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ⑤広いスペース ∼その2∼ AP1台のサービスエリアではカバーできない広い場所 壁や金属の棚、荷物、工作機械などの遮蔽物が無い場合 APの台数を最小にしたい場合 広さの目安 半径30mの円に全体が入らないような空間 但し、このような場合、各APのチャンネル設定は、4.アクセスポイント の設定 のように 5ch 以上離すことを推奨いたします。 アクセスポイント 設置場所 30m ch1 ch6 ch6 ch1 ch11 47 ch1 ch11 ch6
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル ⑥広いスペース ∼その3∼ アクセスポイント1台のサービスエリアではカバーできない広い場所 壁や金属の棚、荷物、工作機械などの遮蔽物が無い場合 アクセスポイントの台数を最小にしたい場合 広さの目安 半径30mの円に全体が入らないような空間 30m アクセスポイント 設置場所 遮蔽物が床から天井近くまであり、アクセスポイントの設置場所から遮蔽 物の向こう側が見通せないような場所では、遮蔽物で区切られた領域(図中 の網掛け部分など)を1つの狭い領域と考えて、アクセスポイントの設置場 所を決定します 但し、このような場合、各APのチャンネル設定は、4.アクセスポイ ントの設定 のように 5ch 以上離すことを推奨いたします。 48
DT-870/5100 DS 無線 LAN 設定マニュアル §6.参考資料 DT-5000 使用時のFH無線の競合に対するスループットの変化(参考) DS中心周波数 =2447MHz 10 FH競合 DS拡散帯域 DS 中心周波数を 2447MHz 固定としたとき、 Cisco 製 FH をホッピング停止、電波連続発 射状態にして 2447 から 1MHz づつ移動さ せ、このときのDS無線機のスループットを測 定すると左記のようになる 9 転送速度(KB/s) 8 7 FH 無線 LAN 製品の多くは衝突回避機構を 装備するため極端な例ではあるが、 Bluetooth とは同様の干渉が発生することが 予測されます 6 5 4 3 2 1 0 2447 DS中心周波数 2445 2443 2441 2439 2437 FH中心周波数(MHz) 2435 49 2433
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