User manual - AP-45C

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鍵盤の設定を変えてみましょう
操作手順
1
設定ボタンを押し、以後手順 4 まで押し続けま
す。
2
音律を選択します。設定ボタンを押したまま、
択したい音律と対応している鍵盤を押します。
このとき、どの鍵盤を押しても音は鳴りません。
3
ル−トを選択します。設定ボタンを押したまま、
選択したいル−トと対応している鍵盤を押しま
す。
例えば、ルートを“F”に設定するには、“F5を押します。
このとき、どの鍵盤を押しても音は鳴りません。
バロック・ピッチ( 2 6 ページ参照) をオンにしたときは、設
定したいルートの半音下の音を設定してください。例え
ば、ルートを“C にしたい場合は、“B 4 の鍵盤を押してく
ださい。
4
設定ボタンから手を離して、音律の選択を完了し
ます。
NOTE
上記の操作の中で、音律の選択のみを行い、ルートの設
定を行わなかった場合は、ルートは自動的に“C”に設
定されます。
ルートの設定後にトランスポーズを行なった場合で
も、ルートは変化しません。
トランスポーズを行なった状態で、ルートの設定をす
る場合でも、ルートの設定に使用する鍵盤は移動しま
せん。
F
5
F
4
E
6
B
5
それぞれの音律の特長
12 平均律
8 (1オクターヴ) 12 の半音に平均等分した、現在
の鍵盤楽器に一般に適用されている音律です。12平均律
は、理論的には17世紀にすでにかなりの発展をしていま
したが、実際の鍵盤楽器に一般に採用されはじめたのは、
18世紀の半ば以降のことでした。12平均律の長所は、
らゆる調への自由な転調ができるという点で、鍵盤楽器
にとってはもっとも合理的な調律法です。しかし、3
の響きがいくらか悪くなるなどの問題点もあり、現代で
もクラシック曲の演奏会などではヴェルクマイスターや
キルンベルガー、あるいはミーントーンなどの音律が採
用されることがあります。
キルンベルガー第Ⅲ法
キルンベルガーは、晩年のバッハに師事した弟子の一人
で、純正律とミーントーンを発展させた調律法を考案し
ました。この音律も、すべての調での演奏が可能になるよ
うに調節してあります。
ヴェルクマイスター第 1 技法第 3
ヴェルクマイスターは現代用いられている平均律の研究
で有名な理論家の一人で、この音律は平均律に至る過渡
期の音律と言えます。バッハが「平均律クラヴィーア曲
集」を書いた時の鍵盤楽器の調律法は、実際にはこの音律
によっていたと考えられています。すべての調での演奏
が可能です。
ミーントーン(中全音律)
純正律を調節し、鍵盤楽器の調律法として実用性を高め
たものです。ルネサンスの時代から18世紀の後半頃まで
広く採用され、ヘンデルやバッハ時代には、まだ多くの
チェンバロやオルガン、ピアノがこの方法で調律されて
いました(英国には19 世紀後半になってもミーントー
ンを採用していたオルガン・ピアノのメーカーがあった
ほど、鍵盤楽器の調律法として定着していたものです)
ヘンデルのオラトリオである「メサイア」などは、この
ミーントーンで演奏されなければならないとされていま
す。
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