User Guide
FAQ:よく寄せられる質問
B-18
Q: ジャンパー設定の全く不要なマザーボードはいつ頃可能となるでしょ
うか?
A: プラグアンドプレイは,ジャンパーの無いアドオンカードの夢を現実のものに
しましたが,本当の意味でジャンパーを持たないマザーボードの実現には未だ
なおいくつかの技術的な問題を残しています。例えばCPUのクロックや動作電
圧には標準のインタフェースが決まっておらず,今のところいわゆるジャンパ
ー無しのマザーボードと呼んでいるものは,その検出を実際にはBIOSに依存し
ているか,あるいは手動でセットしております。こうした設定が間違っている
場合には,システムは不安定になるか,そうでなければある期間使用している
と損傷して仕舞います。それ以外にも不都合となる点としては,いくつかの(こ
れまでであればジャンパー設定であった)情報がCMOSに記憶されているため
に,ひとたび電池が減ってしまったりBIOS設定を何かの拍子に変えてしまった
場合には,ユーザーなり販売店なりではケースを開けて,再度CPUをチェック
しなくてはならなくなるなどが上げられます。
中でもとりわけ厄介なのは,ジャンパー無し設定のためにCPUをブートしBIOS
に移って行くその開始電圧をどうするかです。2.85Vの電圧はP55CやK6-166に
は恐らく問題無いのですが,K6-233MHzでは最低 3.1Vを必要とします。現行
のジャンパー無しマザーボードにK6-233を搭載した場合には,ブート出来ない
ことになります。
恐らくは,SMバスの規格がもっと浸透してCPU やクロック発振器その他のIC
が SMバス対応となるようになるまで待たなければならなさそうです。そうな
ればチップセットはパワーオン直後にシステムの構成内容を自動的に検出し
報告することが出来,そうなって初めて真の意味でジャンパー無しマザーボー
ドが出来たと言えるでしょう。
Q: スイッチング・レギュレーターで同期方式と非同期方式の違いは?
A: スイッチング・レギュレータでは,パワーFETを非常に高い周波数でオン/オフ
させて,L/C による充放電回路を用いて電圧ドロップを作り出しています。現
在使われているほとんどのスイッチング回路設計では非同期方式を採用して
おり,これを技術的な観点から見ると,パワーFETがオフの時の電流ループバ
ックにはショットキー・ダイオードを使っているために,この時にも多くの電
力を消費し熱も発生させております。AOpenがAP5T-3/AX5T-3で採用した同期
方式のスイッチング回路では,電流ループバックにMOS FETを用い,かつメイ
ンのパワーFETとは同期していて,片方がオンである時もう片方はオフとなっ
ているので,非同期方式では温度が57℃にまで上がるのに対して,こちらの方
式では36℃以内に抑えられることとなり,極めて効率の高い制御方式になって
います。